出典:http://decor-best.com/creative-inspiration-for-modern-office-interior-design-small-size/
■人が歩く導線を確保せよ!
<スモールオフィスレイアウトの意外な落とし穴のひとつ。それは「人が歩く導線を確保」です。限られたスペースにデスクやミーティングルームなどを詰め込み、いざレイアウトしてみると、思ったよりも通路が狭い…ということはありませんか?これは図面に配置するなど、2次元上でシミュレーションしていないときにしばしば起こります。1人では持ち運びが困難なデスクやラック類など、大型の什器類を一度レイアウトしてしまうと、再度移動は面倒だし、そもそも詰め込んでしまった場合はやり直しが利きません。オフィスのサイズにもよりますが、できれば1.5mくらいの幅を確保すること。人が通るだけでなく、大きな荷物を出し入れすることだって充分に想定できるからです。
■オフィスデザインのプロに任せるなら安心。自分たちでレイアウトするなら図面上でシミュレーションしてみる
スモールオフィスだから気になってしまうのでしょうか。足の踏み場どころか、デスク周りに資料や書類が積まれて人がいるかどうかさえ分からないほど雑然としているところって、ありますよね。整理整頓が苦手なのか、あまりに忙しすぎて片付ける時間がないのか…。いずれにしても、打ち合わせで人を呼べるような状況ではなさそうです。これは、フリースペース制にしているオフィスで実施されていることですが、1人1人に衣類を収納するロッカーとは別に、もう1つ追加して「余計なものは持ち込まない」習慣をつけさせるのもひとつのアイデアです。
■ミーティングスペースはできる限り広く取る(常に片付けて!)
いつも使う場所ではないからと後回しにされがちなミーティングスペース。スモールオフィスだからこそ、限られたなかでもきちんとミーティングスペースは確保しておきたいものです。来客時はもちろんのこと、社内の打ち合わせでも意外と出番があることは体験上、知っている方も多いのではないでしょうか。最低でも4人、大勢での打ち合わせにも対応できるよう、6人くらいがどうにか収まるスペースが確保できれば、大抵は何とかなります。それ以上の人数が集まる場合は、近くのカフェやファミレス等を活用して回避しましょう。あと、忘れてはならないのが、ミーティングスペース周辺は常に清潔に、整理整頓をお忘れなく!
■社長と社員をパーティションで区切らない
せっかくのスモールオフィスです。社長室を個別に作って、はっきりいえば余計なスペースを食うよりも、社員と近い方が理想的です。狭いスペースなのに、社長(オーナー)自ら壁を作ってどうする!というわけです。こういってはナンですが、数ある中小企業や零細企業の中で自分の会社を職場に選んでくれた人たちです。それこそ優秀な社員はきちんとコミュニケーションを図っておかないと、いつの間にか転職したり独立していってしまいます。ここは「同じ釜の飯を食ってる感」をしっかりとアピールしましょう。
■エアコンの風の当たる場所の配慮を
これも案外見落としがち。仮にオフィスデザインのプロに任せたとしても、さすがにこればかりはスタッフの誰が暑がりで誰が寒がりはまで(事前に伝えない限り)分かりません。まず、暑がりの人と寒がりの人、どちらを基準に席をレイアウトしていくか、事前に念入りに検証してみてください。
■喫煙者とそうでない人の席の配慮も
精密機器がオフィスを占領する時代において、オフィス内で喫煙okという企業も少なくなってきたのではないでしょうか。そうなると、喫煙者の方は、階段の踊り場やオフィスビル横等の喫煙スペースでタバコを吸うことになると想定します。喫煙者本人は意外と気づいていないものですが、衣類にはタバコの臭いが染み付いています。タバコを吸わない人がパチンコ屋に入ると、たばこの臭いがきつくて、10分も店内にいられないそうです。一服したあとに自席に戻ると、自然のタバコの臭いを周囲に振りまいているのです。オフィス内に妊婦さんがいればなおさら。喫煙者とそうでない人の席の配慮も必要ではないでしょうか。
■トイレと近い場合の音の配慮を
出典:http://www.gardenlodges.co.uk/commercial-garden-office-with-kitchen-and-toilet/
出典:http://www.gardenlodges.co.uk/commercial-garden-office-with-kitchen-and-toilet/
こちらも意外と見落としがちです。スモールオフィスだと、トイレとオフィスが同じフロアだったり、距離が近かったりというケースもしばしば見受けられます。女性はもちろん、男性でも特に「大」のときは音が気になるでしょう。物理的な距離はどうしようもありませんが、パーティションを付けるとか、乙姫的なものをトイレに据え付ける等の配慮が必要かもしれません。筆者の知人のオフィスでは、トイレとオフィスの距離が近すぎて(文字通り超スモールオフィスなので)、音を聞かれることやイヤで近くのコンビニやビル内のトイレを拝借していたそうです。トイレのたびにこれではちょっと気の毒ですね‥。
■意外の音が気になるコピー機は隅に追いやろう
静かなオフィスだと、コピー機に近い人は意外と動作音が気になるものです。業種によってはヘッドフォンを掛けて音楽を聴きながら業務にあたることが許されている場合もありますが、シーンとしたオフィスだとアイドリング音だけでも意外と響き渡るものです。可能であればできるだけデスクから離れた場所に置くように心掛けましょう。
奇をてらいすぎると後々大変なことに
出典:http://www.yuyek.com/small-office-or-work-space-design-ideas-to-inspire-you/
せっかくスモールオフィスをレイアウトするのだから、他とは違うオフィスにしたい。どうせならこだわりのあるオフィスにしたい。そんなことを考えてしまうのは、ある意味では自然な流れです。急成長著しい企業であっても、毎年移転するようなケースは稀でしょうし。そもそも非効率です。それだけに、新たにオフィスを創るときは気合いが入りがちです。でも、ちょっと待ってください!奇抜な色合いのデスクや什器類を並べたり、いま、流行りの立ったまま仕事をする「スタンディング・デスク」で統一したりと、ちょっと斜め上を狙うと後々面倒なことになります。普通が一番とまではいいませんが、その企業やオフィス、働く人のカラーにあった「ちょうどよいさじ加減」が、結局のところ一番落ち着くんですね。
■海外のイケてるスモールオフィス集
ご参考までに、海外のイケてるスモールオフィス集のイメージを集めてみました。レイアウトの際に何らかのヒントになるかもしれません。
出典:https://jp.pinterest.com/explore/small-office-design/
出典:http://www.unl.edu/english/creative-writing
出典:http://resurse-umane.afacerist.ro/
出典:https://jp.pinterest.com/ncmtlover/open-office-concept/
出典:http://runsa.ipnodns.ru/open-concept-offices.html
■狭い空間だからこそ、快適に過ごせる空間作りを!
日本の軽自動車に乗ったことがあるかと思います。限られた空間の中で最大限の居住スペースを稼ぎ出し、なおかつ荷物だって(モデルによっては自転車だって)積むことができる。それでいて燃費が良くて、維持費も乗用車より安い。走りだって決定的に劣るわけではない。それは売れるはずです。スモールオフィスも、まさに軽自動車のパッケージングの発想に基づいた考えでレイアウトしてみてください。