目次
- 1.小規模オフィスのオフィスデザインの相場の目安とは?
- 2.オフィスデザインの「範囲」とは?
- 3.オフィスデザインが高額になりがちなケースとは?
- 4.相見積もりをすべきか?オフィスデザインを安く抑えるには?
- 5.値段だけで選んでも大丈夫か?それ以外のポイントとは?
こだわりのオフィスにしつつも、いかにコストを抑えるか…担当者の悩みの種でもありますね。今回はその相場についてはもちろん、どのようなポイントで値段が左右されるかに触れてみたいと思います。
1.小規模オフィスのオフィスデザインの相場の目安とは?
出典:https://www.contemporist.com/
みなさんが一番気になるであろうオフィスデザインの相場。一般的に、20~50万円くらいとなるケースが最多です。それでは「この30万円の振れ幅はいったいなぜ…?」というと、デザインのグレードや面積(坪数)、間取りの形状に左右されることがほとんどです。
今回は主に小規模オフィスにスポットを当ててのお話なので、面積(坪数)に関する部分よりも、デザインをどの程度まで突き詰めるかによって価格が変動すると考えてもらえればいいでしょう。
また、仮にまったく同じデザインのオフィスを複数業者に見積もってもらったとしても、値段の差が発生することは珍しくありません。デザイン会社によって算出の仕方もさまざまなため、あくまで上記価格は目安となりますが、おおよその予算は先にハッキリ伝えておくとスムーズです。トータルの出費としては、ここへ内装・電気工事費を足した金額となります。
2.オフィスデザインの「範囲」とは?
出典:http://www.home-designing.com/
我々デザイナー目線では、完成形のオフィスすべてが「デザイン」と考えます。ですが、まさかデザイナーが水道工事や電気工事など、別途専門知識が必要な分野までカバーできるものではありません。
実際に施工が始まれば、たくさんの人の力を借りて完成を目指すのです。ではデザイナー・設計者が携わる「範囲」とは、クライアントの意見を聞きながら、そのイメージを図面に落とし込んでいく作業がメインです。
具体的には、以下3項目が、デザイナーの腕の見せどころといえるでしょう。
・コンセプト考案
ずばりどのようなイメージのオフィスを体現したいか。企業イメージや色合い・風合いなど、形容の部分となります。ここからデザインを発展させていくことになるので、例え漠然としたイメージであっても、そのインスピレーションは後々非常に大切なデザインソースとなっていくのです。
・ゾーニング
オフィスという場である以上、働く場所として目的を果たした空間に仕上がらなければなりません。
普段どのような使われ方をするオフィスなのか、従業員のワークスタイルや来客の頻度など、用途に応じて空間の区分けをおこないます。
・レイアウト設定
さて、コンセプトとゾーニングが揃ったら、いよいよイメージしていたオフィスが具体化します。最初に決めたイメージを守りながらも、実際に人が使用する場所として成り立つよう、什器の設置スペースや動線も重視しながら完成図へと進めていきます。
これらの要素が確定すれば、あとは必要な什器の調達および、内外装の工事業者さんとタッグを組んでオフィスの具現化に努めます。
3.オフィスデザインが高額になりがちなケースとは?
出典:https://retaildesignblog.net/
はじめに「デザイン相場+内装・電気工事費=目安」とお伝えしましたが、思わぬ落とし穴で高額になってしまうケースも存在します。予算を出す際には、以下のような場合にも着目しましょう。
・高級建材を取り入れたケース
例えば床・壁や什器類に、無垢の木材を使用したいとなった場合、値段が大きく跳ね上がってしまいます。オフィスの改装なんてめったにない機会だからこそ、ついこだわりを詰め込みたくなるものですね。最近では木目調の建材であっても、かなりハイクオリティな仕上がりとなりますが、無垢材でも木の選択次第では低コストで収めることが可能です。サンプル材やカタログを吟味して、落としどころを考えておくとよいでしょう。
・旧オフィスの現状復帰(引っ越しの場合)
お引っ越しして新たなオフィスを構える際、旧オフィスが賃貸物件だった場合は原則「現状回復」をして明け渡さねばなりません。最初に敷金が発生している物件ならば、それも原状回復工事費用に充てることとなります。この出費は、旧オフィスにどの程度手を加えていたかに左右されます。
また同時に、不用品の処分費用も計算しておく必要があります。これが思わぬ出費となる場合も…。
・オフィスのインフラ面を大がかりに変更するケース
電気設備やネットワーク、水道の取り回しなど、元の状態から大幅に変更しなければならない場合は工事費用がかさみます。あまりにこだわり過ぎてしまうと、あっという間に数百万となってしまうパターンも…。物件に初めから備わっている配線・配管をなるべく生かしたレイアウトであればあるほど、工事費用も安く済みます。
4.相見積もりをすべきか?オフィスデザインを安く抑えるには?
このように小規模オフィスであっても、意外に必要なプロセスが多いことがおわかりいただけたでしょうか?無論、すべてをプロに任せれば確実かつ迅速であることが魅力ではありますが、依頼側としては出費は楽観視できません。
そこでまず相見積もりをして、それぞれのデザイン事務所の書面を眺め、「これは本当に必要かどうか?」「A社とB社の違いはなにか?」といった項目を探すことをおすすめします。相見積もりをとることにより、業者への価格交渉をおこなうこともできますし、そこから必要なモノと不要なモノが見えてくることも。
もしかしたらその中に、自分たちで解決できそうな項目が含まれているかもしれません。
・什器類の仕入れ
ワンオフ作成の依頼でもない限り、基本的にはデザイナー側がコンセプトにのっとった品物を仕入れます。もちろんオフィスデザインにふさわしいこれぞといった逸品ヲチョイスしますが、当然その売買に関する中間マージンが発生します。社内にインテリアのセンスに長けた者がいるならば、什器は自分たちで選ぶのもアリかもしれません。
・配線の末端
照明器具や通信機器など、なるべく最後の配線をDIYすることでもコストを抑えることが可能です。もちろん床・壁・天井内の配線は電気屋さんでなければ触れませんが、表に出ているコンセントやモデムからの設置であれば素人でもおこなえます。
このような依頼に不慣れな場合、1社からの見積もりだけで納得してしまう場合もあるでしょう。ですが見直しや交渉により、数十万単位で変わってくることも…!時間の許す限り、できるだけたくさんの見積もりを集めましょう。
5.値段だけで選んでも大丈夫か?それ以外のポイントとは?
前項では簡単に節約術をご紹介しましたが、値段に関して留意しておいてもらいたいことがあります。簡単に言ってしまえば、依頼主とデザイナーとの相性です。
価格競争も大切ではありますが、この「相性」が合致しないと、やはり思い通りのオフィスを手に入れることができなくなってしまいます。特に小規模オフィスである場合、経営者だけでなく現場従業員の声も通りやすい傾向にあります。
デザイン会社やデザイナー個人には、ある程度得意分野や持ち味というのも存在しますが、まずコミュニケーション能力ありき。クライアントの声を聞きもらさない度量が備わっていなければなりません。
・専門用語もなるべくわかりやすい言葉でしっかり説明してくれる
・漠然としたイメージでもくみ取ってくれる
値段だけにとらわれず、話がしやすいと感じるデザイナーに託すことも重要なポイントです。相見積もりとともに、それぞれデザイナーごととの相性にも着目してみてくださいね。