目次
- 1.居心地のよいカフェ風のオフィスデザインとは?
- 2.カフェ風のオフィスデザインを創るメリット/デメリットとは?
- 3.カフェ風のオフィスデザインを創るときにこだわりたいポイントとは?
- 4.カフェ風のオフィスデザインを創るときに気をつけたいポイントとは?
- 5.カフェ風のオフィスデザインのカフェスペースをどう創るか?
- 6.カフェ風のオフィスデザインに似合うファニチャーとは?
- 7.カフェ風のオフィスデザインに似合う小物類とは?
- 8.カフェ風のオフィスデザインを創るときに参考にしたいイメージ画像
- 9.最後に
1.居心地のよいカフェ風のオフィスデザインとは?
株式会社SYNTH(シンス)が2016年4月12日に発表した調査データ「ビジネスウーマンのオフィス環境に関する意識調査」によると、女性の約40%が「現在のオフィスに不満がある」と答えています。
さらに、「快適なオフィス環境はモチベーション向上に貢献する」に同意した女性は91%。オフィスのデザインは女性にとって非常に大切な要素であるといえるでしょう。
また、「快適なオフィス環境は作業効率に向上させる」のは同意92%、「快適なオフィス環境は組織内の人間関係を良くする」へは82%となっています。
「快適で居心地の良いオフィス環境」は、女性の能力を発揮するためにも重要なキーワードなのです。
「居心地の良い」といえば、最近人気のカフェ風オフィスデザインがあります。
オフィスをまるごとカフェテイストのデザインにすることで、開放感やリラックスを演出し、クリエイティブな発想を促そうというものです。
開放的なオフィスは、スタッフのコミュニケーションの向上にも貢献します。自由にディスカッションを促すために、フリースペースや会議室をカフェ風にしているところもあります。
カフェ風のレイアウトといえば、カフェのカウンター席に似せたフリーアドレス制のデスク配置があります。自由な席に着いて、周囲とコミュニケーションしながら仕事ができるものです。
フリーアドレス制とは、1990年代後半より、外資系企業やIT企業を中心に導入され、昨今の「働き方改革」の1つの手段として、注目されているデスクの配置方法です。
上司との意思疎通もしやすく、ミーティングもラフな雰囲気で行うことが可能です。
また、フリーアドレス制にすることで各スタッフの座席が固定されないだけなく、「自分のデスクに荷物を溜め込む」ことができなくなります。
そのため、各自が工夫して、各々に用意された最低限のスペースのなかでやりくりすることで、オフィス全体が散らかりにくくなるというメリットもあります。カフェ風のデザインを再現したオフィスであっても、散らかっていては本末転倒です。スタッフ1人1人の協力と気配りがあってこそ、素敵なオフィスが実現できるのです。
オフィス全体がカフェ風のデザインであればリラックス効果も期待できます。クリエイティビティな発想が、業績アップにも繋がるかもしれません。
カフェの方が仕事がはかどるという人も多く、カフェ効果は実際にあるようです。
このような理由で人気のカフェ風オフィスデザインですが、社内で導入するためにはどのような手順を踏めば良いのでしょう。 大まかな作り方の流れをみてみましょう。
1.どんなカフェ風が良いのかをイメージする
「かわいい」「ナチュラル」「スタイリッシュ」「クール」「アメリカン」などなど、カフェにもいろいろあります。どんなテイストがオフィスのイメージに沿っているのかを検証しましょう。
オフィスのコンセプトやブランディングも考慮して、デザインのテイストを考えることが大切です。
参考にしたい実際のカフェやイメージ写真があると、イメージしやすいでしょう。
2.レイアウトのキーワードは開放感
カフェ風デザインの狙いは、「スタッフ同士のコミュニケーションの向上」「発想」「リラックス」など、オフィスによって違いますが、共通点は「開放感」です。この開放感が、居心地の良さにつながります。オープンな雰囲気を演出するデザインを意識しましょう。
3.オフィス家具や装飾品の選択
カフェに行くと、家具や調度品にもこだわりが見えて、おしゃれな雰囲気が感じられます。オフィスをカフェ風にする場合も、センスの良いオフィス家具を選ぶことが重要です。
ただし、オフィスはワークスペースであることを忘れてはいけません。ビジネスとしての機能性を考慮し、動線も考えたオフィス家具を選びましょう。 特に、デスクや椅子はスタッフの体調や仕事の効率も左右するもの。遊び心がみえる家具は魅力的ですが、業務の妨げになっては本末転倒です。
ビジネス用途として使いやすく、仕事がしやすい家具を選びましょう。観葉植物は、リラックスや癒しを演出します。オフィスの空気清浄にも効果があるので、積極的に取り入れるとよいでしょう。
4.お金をかけずにカフェ風オフィスにリフォームするためには
リノベーションするほどの予算をかけられない、今のままで雰囲気を変えたいという場合は、少しの工夫でカフェ風オフィスにすることができます。 例えば、家具や壁紙をウッド調にすると、ナチュラル感が出ます。観葉植物や装飾品にもナチュラルなものを選ぶと良いでしょう。
また、照明を暖かい電球色にすると、リラックス感が増します。業務に支障がある場合は、フリースペースの照明だけでも変更してみてはいかがでしょう。
デザインではありませんが、BGMでカフェ風を演出する方法もあります。 カフェでよくかかっている、ボサノバやジャズ、イージーリスニング系のクラシックは、カフェを連想させるとともにリラックス効果も期待できます。
パーテーションだけで区切られたミーティングルームがある場合、BGMが流れていることで話し声が気にならなくなる効果もあります。 カフェを意識したオープンなデザインにしたいけど、ミーティングの声が必要以上に漏れるのが心配な場合にも、試してみる価値があるようです。
2.カフェ風のオフィスデザインを創るメリット/デメリットとは?
このように、人気のカフェ風オフィスデザイン。では、実際に導入するとどのようなメリットとデメリットがあるのでしょうか。詳しく見てみましょう。
1.コミュニケーションの向上
カフェ風デザインの特徴は開放感。オープンな空間です。このことにより、スタッフ同士や上司との垣根が低くなり、コミュニケーションがとりやすくなります。
フリースペースもカフェ風なので、リラックスした雰囲気でのミーティングやディスカッションが可能です。これまでの雰囲気では言えなかった意見や、アイディアを発現できるかもしれません。
2.リフレッシュすることで仕事の効率が上がる
開放的でゆったりとしたデザインは、心の余裕を生みます。リフレッシュもしやすいので、仕事の効率も上がるでしょう。
おしゃれな空間は、スタッフのモチベーションもあげます。おしゃれな空間でのワークスタイルといった、セルフブランディングにも効果を発揮。クリエイティブな仕事をする空間に最適です。
3.飲み物にもこだわれば、カフェ風ノマドスタイル
最近は、家庭用の本格エスプレッソマシンが増え、オフィスでも本格的なコーヒーを楽しむことができます。
フリーアドレス制のデスクなら、オフィスなのにコワーキングスペース風にもなります。 美味しいコーヒーでリフレッシュしながら、スタイリッシュなノマド風ワークスタイル。働き方改革の推進にも貢献できるでしょう。
4.いつでもカフェミーティングで新しいアイディアが生まれやすい
会議室だとどうしても固くなりがちな会議。重苦しい雰囲気に意見もアイディアも出ないことがしばしばです。
しかし、カフェ風オフィスなら、ちょっとした隙間時間にもミーティングがしやすく、自由な場所でオープンなディスカッションが可能です。 上司やリーダーとの距離が近くなり、リラックスした雰囲気で意見を出しやすくなります。リラックスしているので脳が柔軟になり、新しいアイディアも浮かびやすくなるようです。
5.意識が高い社員の採用が可能
魅力的で、新しいコンセプトを取り入れたオフィスは、より自分の能力を発揮したいと考える人材が注目します。
彼らは、自分の能力を最大限に発揮し、効率の良い仕事ができる環境を望み、結果を出すことを目標としています。 特に、自分のキャリアアップを考えている女性は、働きやすい環境に敏感です。セルフブランディングにも気を配っています。 オフィスがおしゃれなカフェ風となることで、モチベーションも上がります。自由な社風のイメージは、自由に才能を発揮したいビジネスパーソンを引きつけるでしょう。
さて、多くのメリットがあるカフェ風オフィス。デメリットはないのでしょうか。
例えば、カフェ風のオフィスで多く取り入れられているフリーアドレス。
固定席がなく、自由に自分の好きな場所で作業ができ、社内のどこでも仕事ができるという、ビジネス現場のバリアフリーです。 このフリーアドレスのメリットが、裏を返せばデメリットになる場合があります。
また、カフェといえば心地よい雑音や BGMが特長です。カフェ風オフィスも、このコミュニケーションのしやすさやリラックスを狙っているのですが、この雑音やリラックスが人によってはデメリットとなる可能性があります。
デメリットとなる項目を、具体的に見てみましょう。
1. だいたい同じ場所を確保する
フリーアドレスやカフェ風オフィスの魅力は「オープン」「フリー」ですが、社員がメリットを理解していないと、結局同じ席に座る傾向があります。
気の合う同士で固まってしまうため、コミュニケーションがとりづらくなる場合もあり、一人の人はいつも一人、固まって行動する人はいつも同じメンバーになるなど、日本人特有の弊害も出てくるかもしれません。
2. グループ内のコミュニケーションが希薄になる
グループの仲が良くない場合、一緒にいる時間を避けるようになってしまいます。また、他の部署やグループとのディスカッションはとりやすくなりますが、同グループは同じ場所にいないため、グループ内でのコミュニケーションが希薄になる傾向もあります。
オープンにする場合でも、グループの場所をある程度固定化するなど、業種やワークスタイルによってデスクの配置を考えることが大切です。
3. 集中しにくい
フリーでオープンなカフェ風オフィスは、多くの人とコミュニケーションが取れる、アイディアが湧きやすいなどのメリットがあります。 しかし、人によってはカフェ風の環境では集中しにくい場合もあります。カフェで聞こえる雑談が程よいBGMと感じる人と、少しの音でも気になってしまう人が、同じオープンなエリアで仕事をすることは難しいでしょう。
オフィスによっては、集中したいときに使える集中スペースを設けるなどの工夫があるようです。スペースに余裕があるオフィスではこの対策は可能ですが、限られたスペースだと難しいでしょう。
4. wifiやモバイルワークの導入が必須
オープンでフリーを実現するためには、社内にwifi環境とモバイルワークの導入が必須です。
どこにいても仕事ができるようにするためには、wifiはもちろん、グループウェア、チャットツール、クラウド環境の導入などが必要です。人によっては、自宅や外出先から会議の参加があるでしょう。客先との打ち合わせも、チャットやビデオ通話になるかもしれません。 このようなモバイルワークの実現は、専門家とコスト、時間が必要です。オフィスのデザインを行う際には、新たなモバイルワーク導入やwifiを考えた構築とデザインが必要です。
メリットとデメリットは紙一重。漠然とカフェ風オフィスへ移行するのではなく、業種やワークスタイル、スタッフの意向を考慮して、誰もが使いやすく居心地の良いオフィスづくりを目指しましょう。
3.カフェ風のオフィスデザインを創るときにこだわりたいポイントとは?
カフェ風のオフィスデザインのポイントは、「抜け感」。程よいリラックス感とオシャレだけど敷居が高くない、都会的でありつつも落ち着く、そんなイメージです。
では、どこにこだわることによって、カフェ風を演出できるのでしょうか。詳しく見てみましょう。
1.カラーにこだわる
企業にテーマカラーがあるように、カフェにもテーマカラーがあります。スタバならグリーン、タリーズならオレンジとブラウン、ドトールはイエローとブラックなど、似たような色合いの看板を見つけると、「あれかな」と思うほど浸透しています。
カフェ風オフィスのデザインにも、カラーを統一すると良いでしょう。落ち着いたブラウンを基調としたデザインに、家具や小物にテーマカラーを入れるのです。ミーティングスペースや休憩室などのフリースペースにはカラーを多めに使い、他の場所との差別化を行うことで、リフレッシュ効果が期待できます。
作りたいオフィスのイメージで配色を考えるときは、企業イメージも考慮しましょう。
シックで大人っぽいオフィスを目指すのなら、ダークグレーやブラック、ネイビーなど暗めの1色選び、全体の70%を選んだ色で統一します。残りの25%に別の色、5%をアクセントとなる明るめなカラーにすると良いでしょう。ブルーを配置すると、クールなイメージになります。
可愛らしくポップにしたい場合は、全体をアイボリー調のカラーで統一し、アクセントカラーにポップな色を使うとよいでしょう。
2.素材にこだわる
カフェといえば、ウッド素材と思いがちですが、カフェのイメージによって素材もいろいろです。
スタバのようなイメージなら、濃いブラウンのウッド素材がおなじみですが、今流行りのブルックリンスタイルなら使える素材もさまざまです。
ブルックリンスタイルには、木材の他に、レンガやモルタルが使われます。アンティークで都会的な雰囲気を出したいのなら、レザーや鉄の素材も似合います。
また、木のフローリングやブロックタイル、塗装など、全体を自然素材にこだわり、内面から快適にこだわっているオフィスもあります。 1日の大半を過ごすオフィスですから、健康素材へのこだわりもありかもしれません。
3.家具にこだわる
カフェにいくと落ち着けるのは、おしゃれな家具のせいかもしれません。オフィスにおしゃれな家具を使うだけでも、カフェ風になるから不思議です。
一番大切なデスクと椅子は、ウッド素材が良いでしょう。落ち着きと使いやすさを兼ね備えています。椅子は、疲れにくい上質なものを選んでください。 書類棚やトイレタリーなどにもこだわりを。ウッド素材やアンティーク家具などで、上質な空間を演出しましょう。
もちろん、おしゃれよりも使いやすさを重要視すること。使いにくく仕事の効率も下がるようでは本末転倒です。収納も考えた機能的な家具を選びましょう。
4.装飾や小物にこだわる
遊び心がある小物は、仕事で凝り固まった頭をやわらかくしてくれます。オフィスのイメージ作りにも効果的です。
カーテンやクッション、フリースペースでのソファに、布素材を使うと柔らかな雰囲気になります。テキスタイルによって、ハワイ風やアジア風にも手軽に変えることができるのでオススメです。
5.観葉植物にこだわる
リラックスできるカフェでは、グリーンを効果的に利用しています。オフィスでも、癒しや空気清浄を考えるのなら、観葉植物を取り入れてみましょう。 観葉植物は、種類によって効果も違います。風水要素もあるので、業績アップの観葉植物を取り入れても面白いかもしれません。
また、観葉植物は丈夫で手入れが簡単なため、手軽に取り入れることができます。花をつける種類もあるので、季節によって楽しみ方も様々です。飾り方も、鉢植えを置くタイプもあれば、壁にかけるもの、天井から吊るすものなど。転がしておくだけのエアープランツもあります。空間を有効利用できるため、狭いオフィスでも導入が可能です。
オフィスに合う観葉植物には、次のものがあります。
ポトス
ポトスは観葉植物としてはとてもポピュラーな植物で、ゴールデンポトスやライムポトスなど種類も多様です。非常に丈夫な植物で葉の寿命が長いという性質を持っています。元気に育つには15℃以上必要で、8℃以下の気温になると元気がなくなってしまいます。
オーガスタ
こちらも人気の品種で、非常に育てやすい観葉植物の一つです。蒸散作用が他の植物に比べ、葉っぱあたりでみると大きくなるので、生きた加湿器の役割もしてくれます。 また見た目にもインパクトのある葉の大きさなのでエントランスなどに置いても良いと思います。
シュロチ
熱帯の植物なので、比較的育てやすい品種です。シュロチクは明るい日陰を好み、水分を好むので、排水のよい用土で植えて、頻繁に水やりするとよく生育しますが、乾燥させると葉先が枯れ込んだり、落葉したりします。
6.照明にこだわる
カフェがおしゃれに感じる要素に「照明」があります。
白やアイボリー基調で窓が大きければ開放的で明るい雰囲気、トーンがダークで窓が小さめだと落ち着いた雰囲気となります。
オフィスに使うのであれば、ワークスペースには白やアイボリー基調、休憩室や軽いミーティングルームなら昔ながらの電球を使い、バーを連想させても良いでしょう。
カフェ風の照明を選ぶコツは、オフィスっぽくない家でも使えるようなものを選ぶことです。これまでの蛍光灯や、デスク周りの照明ではなく、自分の部屋を演出するつもりで選ぶとうまくいきます。
例えば、ペンダント式の照明を吊るすだけで人が集まるダイニングの雰囲気を出すことができます。スタンドライトは、スタイリッシュな空間を演出します。
明かりは、人の拠り所となります。カフェでも照明にこだわっているのはそのためです。オフィスでも、リラックス効果を上げるための照明は、とても重要なポイントとなります。
また、オフィスの照明を考えるとき、おしゃれ度やインテリア、全体のバランスの他に、業務への影響を考える必要があります。 家具の配置によっても、照明の配置や明るさは違います。技術的な観点が必要なため、照明デザイナーに頼むことも必要です。
オフィスは、公的な空間であり、お客様が訪れる場所です。スタッフの居心地はもちろん、対外的に見ても信頼性のある、心地よいスペースにする必要があります。
暗いほうが集中できるという声もありますが、外部からのお客様は暗いと不安になる場合もあるでしょう。 全体のバランスを考え、オフィスにも使えて、且つオフィスっぽくない照明を選びましょう。
カフェ風オフィスを考える時、コンセプトを決めないと全体的に雑多でチープな印象になってしまいます。コンセプトを決めて、こだわりのポイントを定めてデザインすると、おしゃれで落ち着いた空間を創ることができるでしょう。
4.カフェ風のオフィスデザインを創るときに気をつけたいポイントとは?
おしゃれでリラックス出来るカフェ風オフィスにも、気をつけなければならないポイントがあります。 それは、「ビジネス用途であることを忘れない」です。
ついつい、おしゃれでインスタ映えすることに関心が入ってしまいがちになりますが、あくまでオフィス空間。ビジネスの場です。くつろぐ場所ではなく、ワークスペースであることを第一に考慮しなければなりません。
見落としがちなのが、配線や動線です。おしゃれな家具には、コンセントは付いていません。延長コードを使うことで解決しても、線が床を這うことになり、歩きにくく見た目も悪くなってしまいます。
床に埋め込む、ウッド調のビジネスデスクを使用するなどの工夫が必要でしょう。また、余裕のある空間を意識するあまり、書類棚までが遠い、照明が遠すぎて暗いなど、効率の悪い動きをしなければならない家具の配置をしてしまいます。
カフェでは座っているだけですが、オフィスでは移動したり、電話をしたり、ミーティングを行ったりなど様々な動きが発生します。 業務時の動線を考えたインテリアの構築が必要です。
さらに、カフェ風オフィスの盲点が収納です。
カフェの場合、書類やスタッフの荷物の収納は店舗にありません。バックヤードに配置されています。
しかし、オフィスでは書類はオフィス内になければならず、業務に必要な文房具やPC周辺機器などこまごましたものもデスクに必要です。フリーアドレス制のデスクを導入しても、収納がなければ使いづらく、固定席に戻してしまう場合もあります。
壁面をウッド調の書類棚にする、パーテーション代わりに棚を使い魅せる収納を心がけるなどの工夫をして、書類や文房具がデスクに散乱しないようにしたいものです。
照明にも気を付けましょう。
おしゃれを追求するあまり、妙にダークな照明を使った休憩室は、自分は落ち着くと感じても、他のスタッフにとっては不安になる場合があります。
アイボリー系で暗めの照明は、高齢のスタッフの場合は文字が読みにくくなることがあります。また、明るい白い照明にしたら、デスクの素材に反射してまぶしくて仕事ができなくなった例もあるようです。
スタイリッシュでインスタ映えばかり考えると、使い勝手の悪いオフィスになってしまいます。
一番の居心地の良さは、快適に仕事ができる空間であることを忘れずに、カフェインテリアの要素をとりいれたいものです。
5.カフェ風のオフィスデザインのカフェスペースをどう創るか?
働き方改革でも推進されているカフェスペースやフリースペース。会議室を使うほどでもないミーティングルームとしても使用でき、アイディアを出しやすくなる効果があると言われています。
しかし、カフェ風オフィスについては全体のデザインがカフェ風。
フリースペースで生まれる効果を期待して作られているので、カフェスペースは必要ないように思えます。
実際、カフェ風オフィスのスタッフたちは、めいめいが好きなところでコーヒーを飲んだり、ミーティングをしたりしています。
実は、全体がカフェ風だからこそ、カフェスペースは必要です。
ワークスペースがいつでもリラックスモードだと、オンとオフのメリハリが希薄になります。集中モードで仕事をしているスタッフにとっては、気分転換が必要です。
そのためにも、ワークスペースの一角に、休憩ができるカフェスペースを配置しましょう。
カフェスペースはワークスペースト違い、ビジネス要素が少ないインテリアにすることで、メリハリが生まれます。
例えば、デスクや椅子を低くし、体がリラックスできるようにします。ワークスペースでは使わない、デザイン制の高い家具を使うことで、オフ感が出るでしょう。
パーテーションで空間を柔らかく区切り、カフェスペースの部分だけ BGMを流す方法もあります。
こ
うすることで、視線や話し声をさえぎることができるため、リラックス効果が期待できます。
せっかくのカフェスペースですから、手軽においしいコーヒーが飲めるエスプレッソマシンを置くと、カフェの雰囲気が一層高まります。
オフィスによってはカフェスペースに家庭用キッチンを入れて、軽食が取れる用意しているところもあるようです。
かわいらしい一人用炊飯器やみそしるマシンの配置、オフィス用の惣菜配置サービスなどを利用することで、外食代を浮かし、急な残業も快適に過ごすことができます。
6.カフェ風のオフィスデザインに似合うファニチャーとは?
オフィスの雰囲気を決めるファニチャー。従来のオフィス用家具といえばスチール素材の無機質なものでしたが、現在ではウッド調の家庭用家具にも使えそうなオフィス家具が登場しています。
おしゃれ、且つ機能性を備えたものを選びたいものです。
耐久性に優れた天然の無垢材を使用 背面も前面と同じ色の仕上げなので、部屋の中央にも置けます 引き出しには抜け落ち防止のストッパーが付いています。
スチールと無垢材製の素朴なデスク。わずかなスペースにフレキシブルで機能的なワークスペースをつくれます 木材は生きた天然素材。木目模様や色、質感が一点一点異なります
めずらしい竹素材のデスク。竹は耐久性に優れ、再生可能な、サステナブルな素材です 背面も前面と同じ色の仕上げなので、部屋の中央にも置けます 引き出しには抜け落ち防止のストッパーが付いています。
チェアの高さを調節できるので、自分に合った高さで快適に座れます 体のラインに沿ってカーブしたスタイリッシュな木製の背もたれとアームレストが快適な座り心地を実現します。
チェアの高さを調節できるので、自分に合った高さで快適に座れます 汚れに強く、耐磨耗性に優れたウールを使用 成形高反発フォームを使用。快適な座り心地が持続します。
組み合わせてカスタマイズできる収納棚。
このほか、イケアのサイトには、「わが家のようなオフィスをデザインしよう」という特集記事が掲載されています。ビジネス用のおしゃれな家具も多く扱っており、参考にしたい写真もたくさんあります。
ヨーロピアンなイメージのオフィス家具
ブラックで統一された家具はスマートな空間を演出します。扉付きの収納棚が、雑多な書類を見せずにインテリアに溶け込みます。 ミーティングスペースにはラグを敷き、ワークスペーストとの区別を主張しています。
布素材を使ってリラックス
木材と布素材を使った家具で、あたたかみが感じるインテリア。クッションのテキスタイルもセンスが感じられます。照明器具をクールにすることで、甘すぎないインテリアとなっています。
デスクや収納棚を木製にすることが予算的に難しければ、ラグやパーテーション、観葉植物の使用でカフェ風を出すことが可能です。スチールや合板素材のファニチャーでも、魅せ方やカラーの合わせ方でおしゃれに見せることができます。
サイトに掲載されている事例には、使用しているオフィス家具の商品が記載されています。 予算や欲しい機能に合わせて、カフェ風オフィスに似合うオフィス家具を探してみてはいかがでしょう。
7.カフェ風のオフィスデザインに似合う小物類とは?
予算を抑えたいけれどカフェの雰囲気を演出したい。そんなときは、小物を工夫してカフェ風にしてみましょう。
例えば、ブラインドや壁掛け時計、ラグやパーテーション、電話や照明器具など、カフェで取り入れているような小物を配置することで、ぐっとカフェらしくなります。
フリースペースなどの小さな空間なら、コーヒーカップのチョイスや絵画、小さな観葉植物を並べるなど、カフェのインテリアをそのまま真似ても予算内で収まるでしょう。100円ショップにも、おしゃれな小物がたくさんあります。観葉植物まで売っています。積極的に活用したいものです。
出典:http://www.ironwood-mfg.com/
天然木のアジアンテイストなパーテーション
これひとつで和の雰囲気。障子の代わりに不織布で破れにくい
出典:http://www.loftfurniture.com.au/
パーテーション代わりに使える棚。魅せる収納でおしゃれに。小物や観葉植物を飾っても良いはず
角度と明るさが調整できるシーリングライト。これ一つであっという間にカフェ風オフィス
厚いガラスのグローブに、真鍮のカバーが付いたランプ。船舶照明ですがとてもおしゃれです。 コーナーやフリースペースの明かりに。
おしゃれな北欧テイストの1灯式ペンダントライト。ちょっと分厚めのガラスセードがアンティーク。木をあしらっているので優しく温かみがあります。
文字盤に数字がないタイプの時計にブロック調の壁材などをあしらうとシンプルなカフェスタイルに。
観葉植物を額縁に入れて飾れるフレーム。これがあれば壁にグリーンをあしらうことができる
ダイナミックなインテリアアート。存在感たっぷり。
出典:http://www.patiopizzaz.com/
オフィスの会議室にぴったり。世界地図のインテリアアート。
出典:http://www.ontherivergr.com/c
フリースペースに最適。ワンポイントにもなるスツール。
カフェ風を演出する裏技として、あえて揃わない椅子を並べる方法があります。といっても、オフィス用の椅子ではなく、レストランやカフェで使っているダイニング用の椅子です。
木製や布素材を使ったものなど、温かみがありおしゃれで、且つデザインがバラバラな椅子を配置することで、老舗のカフェをイメージできます。
コツは、カラーと座席部分の高さを揃えること。こうすることで、ただの装飾品ではなく機能的に使用することができます。持ち寄りの椅子でも、使い方によってはカフェ風にすることができるのです。
8.カフェ風のオフィスデザインを創るときに参考にしたいイメージ画像
カフェ風のオフィスデザインを依頼するときに便利なのが写真素材。家具や照明、壁紙などもイメージしやすく、伝えやすくなります。
写真を選ぶときに便利なのが、SNSや画像サイトです。デザイナーや一般の人が撮影しているものも多く、参考にして真似できるアイディアを見つけることができるでしょう。
写真といえばインスタグラム。タグで検索できるのでとても便利です。おしゃれな写真を投稿する文化が息づいているので、当然アップされている写真もおしゃれです。世界中のオフィスデザインの写真を、タグ検索でみることができます。
Flickr
写真投稿SNSでは老舗です。日本語が使えないという難点はありますが、写真の数が膨大。英語で検索すると世界中の写真を閲覧できます。
こちらも老舗ですが、ピンボード風の写真共有ウェブサイトでSNSとの違いがあります。ユーザーはイベント、興味のあること、趣味など、テーマ別の画像コレクションを作成し管理することができるため、自分専用の写真集を作ることができます。
では実際に、参考にしたいカフェ風オフィスの写真を見てみましょう。
打ちっ放しのコンクリート壁がクールなカフェ風景
天井が高く、モノトーンを基調としたカフェインテリア
ブルックリンスタイルのカフェインテリア
フリーアドレスを導入したクールなブルックリンスタイル
遊び心をとりいれたインテリア
カフェ風のコワーキングスペース
ホテルラウンジのような高級感を演出する
クラシカルなソファおよびテーブルを配したオフィスデザイン
南国風コワーキングスペース
美術館に併設されているカフェのようなミーティングスペース
カラーバランスがおしゃれなカフェ
観葉植物の配置が個性的
光の効果的な使い方とこだわりのファニチャー
最後に
カフェ風オフィスといっても、テイストによって様々な形があります。ウッド素材だけではなく、コンクリートやレンガ、布素材の使用、素材の色を活かしたカラーバランスなど参考になる写真も多いでしょう。色数を抑え、統一感とメリハリを効かせたオフィスデザインを心掛けてみてください。
色程度が理想ですが、多くても5色以内に抑えた方が、シンプルでありながらより統一感のあるオフィスデザインを創り上げることができるはずです。
作りたい空間と、生み出したい効果は何か?居心地の良いオフィス空間を創るためには、スタッフがデザインのメリットを共有し、効果的な使い方を意識することも大切です。
また、社員数や規模、業種や予算によっても、創ることができるオフィスは違います。
また、担当者個人やチーム単位でオフィスデザインをしたとしても、自分が在籍する企業やオフィスを客観視するのは難しいかもしれません。性別や世代、趣味趣向、好みの色合いなど、どうしても主観で物事を捉え、判断してしまいがちです。
また、特定のスタッフの意思によって創られたオフィスである場合、社内のデリケートな人間関係に影響を及ぼすことがあるかもしれません。
意見がまとまらない、せっかくの予算と手間ひま、そして何より時間を掛けて造り上げたオフィスが、いざできあがってみたらたらイメージと違ったというトラブルを避けて、納得出来る効果的なオフィスを創るためには、早めにプロに相談する方が回り道をせずに済みますね。
有能な人材が集まり、スタッフのモチベーションもアップする、1日の大半の時間を過ごすオフィスが快適な空間であるために、カフェ風のオフィスデザインを創造することは、きっと働く人々にとって快適な空間になるはず。
そして何より、成果をあげられる場所であるために。ぜひ、素敵かつクリエイティブなカフェ風オフィスを創造してみてください!