なぜオフィスをデザインするとき、上司の席の配置を工夫すべきなのか?

学生のころ、クラスの席替えでこんな経験はありませんでしたか?
「教卓の前はハズレ席…」

5 SEP 2021

目次

1.部下にとっては上司の席の近くは嫌なのが本音?


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学生のころ、クラスの席替えでこんな経験はありませんでしたか?
「教卓の前はハズレ席…」
「一番うしろがあたってラッキー!」

子供のころは、こっそり内職ができるか否かを考えていた人も多いでしょう(笑)。
ですが社会人となり、内職などせず真面目に仕事に取り組んでいても、やはり上司の席が近いのは気になってしまうもの。
これは上司が「嫌いなタイプ」だからでしょうか…?
どうやら、必ずしも人間関係だけが原因とはいえないようです。

ごくわずかな例として、上司と部下の関係性がプライベートでも親しいケースでは、席が近くてもまったく支障が出ない模様。
ですがそんな関係性のほうが稀であり、大抵の場合いくら「いい上司」であったとしても、四六時中至近距離にいるのはストレスだと感じる部下のほうが多いのです。
「苦手な上司」であれば、このストレスはより深刻です。

「嫌だ」と感じてしまう理由の大きな一因は、「視線」によるストレスが最たるもの。
これは実際に常時監視されているかどうかは別として、部下側が「見られている」と感じてしまうオフィスレイアウトが問題であることも。

2.パーテーションで仕切るメリット/デメリットとは?


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「視線」によるストレスは、たとえ主観的なものであっても緊張に繋がります。
こうした緊張に日々さらされていると、思うようなパフォーマンスが発揮できない人は意外にもたくさんいるもの。
実際に、上司と座席が離れたことにより、今までより成果があがるようになった例も多々あります。
ですが限られたスペースでは、その部下が上司の席から遠のいたぶん、別の誰かが上司の近くに座らなければならないでしょう。

そのようなケースで重宝するのがパーテーション。
大幅なレイアウト変更をすることなく、後付けが可能なため、視線のコントロールをするには最適なアイテムです。

パーテーション導入のメリットは以下のとおり。
・「見られている」感から解放される
・物理的距離は据え置きできるため、コミュニケーションを取る際の影響が少ない
・設置が簡単
・低コストで導入可能

オフィス専用品である必要もないため、市販品から選択できるのも嬉しい点です。
ですが、ちょっとしたデメリットも潜んでいます。

主なデメリットとしては、
・狭い空間だと圧迫感が増し景観を損なう
・上司の死角に入ることでモチベーションが低下する
などです。

これらの問題は、パーテーションの材質や高さなどで調整することが可能なため、現状の間取りやインテリアをよく考慮して決めるのがポイントです。
モチベーションについても、過剰な視線はストレスですが、職場にふさわしい適度な緊張感は残しておくべきだといえるでしょう。

3.フリーアドレスにするメリット/デメリットとは?


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今話題のフリーアドレスも、上司と部下の座席の距離感をたもつのにオススメです。

フリーアドレスとは、座席を固定することなく、その時々に応じて好きな場所で働くことができるオフィスレイアウト。
大小さまざまなデスクを配置すれば、チームワーク用・個別作業用とさまざまなシーンで活用できます。
もともとこのスタイルは、業務中に気分転換が図れることにより、新しい発想や生まれやすいといった理由から主にクリエイター職の間で広まりました。
ですがその自由な特性を生かし、とりわけ視線に左右されずに集中したいときにも役立ちます。

フリーアドレスのメリットは、
・従業員各々の塩梅で上司との距離を保つことができる
・座席を変えることで発想の転換が生じる
・作業に応じたふさわしい広さを確保できる
・別の部署の人とも交流しやすくなる
などが挙げられます。

ですが反対に、
・個人使用の物を収納する場所の確保が必要
・意識していないと毎回同じ場所を同じ人が占有しがち
・チームワークを避けやすくなってしまう
といったデメリットも。

せっかくのフリーアドレスも、「お決まりの席」ができてしまっては意味がありません。
そうなってしまう場合は、ある程度のローテーションシステムや、ブロック分けなどを導入し、なるべくみんなが平等に使えるような工夫が必要です。

4.上座・下座にこだわるメリット/デメリットとは?


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一般的に、どの規模のオフィスでも役が上の人の部屋や座席が部屋の奥になっていますね。
重役の部屋が入口やエレベーター・階段側から見てフロアの一番奥になっていたり、部長をはじめとする上司の席が、部屋の入口から見て一番奥に配置されているケースが多いでしょう。
一番奥にあることで、全体が見渡しやすくなるに加え、出入りなどの移動の際にも、部下の働きぶりをチェックすることができます。
また、この配置はいわゆる上座・下座といった、席次マナーにならっているためでもあるようです。

ビジネスマナーといってしまえばそれまでですが、実際のメリット/デメリットはどうでしょう?

主なメリットは、
・席次マナーがきちんと周知されていることで会社の印象があがる
・上司が部下を管理しやすくなる
・社外の人から見ても立場が理解しやすい
など。

対するデメリットは、
・部下が常に「視線」を感じてしまいやすい
・上司に用事がある際、奥へ行かなければいけないのがプレッシャーに感じる
・上司が出入りするたびに落ち着かない
といった声があげられ、やはり下の者が受ける「見られている感」にまつわる点が多い様子。

「ちょっと古風なのでは?」と思える風習なので、最近では役職持ち側からこういったしきたりを排除している企業もありますが、やはり格式にこだわる日本だけあって、まだまだ順守する傾向です。
実際に上司側にとっては、席次マナーのメリットを感じていないという意見もありますが、やはり部下にとっては気を回してしまうもの。
こうした問題をソフトに解決するには、席次マナーを守りつつ、パーテーションなどで工夫をしたり、フリーアドレス制と併用するのがベストでしょう。

5.管理職と部下が心地よいオフィスデザインは存在するのか?


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一昔前よりも、現在のほうがプライバシーを重視する層が増えてきました。
かつてはこういった意見があまり重視されなかったため、今管理職の立場にある人にとっては、もしかしたら少々理解しがたい部分もあることでしょう。
こんなときこそ、上司の経験が活かされるとき。
「かつて自分が部下だったとき、上司の視線に対してどう思ったか?」を考えてみてあげてください。
決して「自分たちも我慢していたのだから…」と過去の風習を押し付けず、今の部下たちに適した空気感を作るようにつとめてほしいのです。
しかし、ただ闇雲に仕切りを設けただけでは狭苦しいオフィスとなり、居心地がいいとはいえません。
「監視」ではなく「見守られている」と感じられるような、適度な距離感さえ保てれば、管理職も全体の様子が見渡しやすく、また部下も安心して働けるようになるものです。
例えば、あまり大きなパーテーションは設置せず、座っている高さで視線が遮れるくらいの高さにしてみたり、すりガラスタイプの光が通るものなどであれば、圧迫感もなくなります。
フレームが木製であったり、観葉植物を一緒に添えるなどしてもよいでしょう。
適切な距離感を保持するためには、「わざとらしさ」を感じさせないデザインが最適です。

6.オフィスデザインのプロに任せるべきか?


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パーテーション設置やフリーアドレスへ向けた什器移動ならば、従業員が力を合わせてDIYすることも可能です。
では、上司と部下の座席関係程度であれば、わざわざオフィスデザインのプロに任せるまでもないのでしょうか…?

前項でも触れましたが、この種のデザインをする上でもっとも重視したいのは「わざとらしくならない」こと。
実はこの塩梅がもっとも難しく、また、発案者の立場に寄ったレイアウトになってしまいがち。
大抵オフィスレイアウトに関わる件は、どうしても上層部の決定が必要となります。
すると事前ヒアリングなどは実行するものの、部下サイドはつい遠慮して本音がいえないままに…。すると最終的にはどこかに「気を遣ってやった感」がにじみ出てしまうのです。それでも改善されていればまだ良い方ですが、部下たちの的を射ていないモノを押し付けられてしまったとしたら…?

そのような問題を未然に防ぐためにも、大小さまざまな規模のオフィスを手掛けてきたプロの意見を取り入れることを検討してみてはいかがでしょうか?
オフィスデザインと聞くと、工事をして大々的にリフォームするイメージがあるかもしれません。
ですが、実際には依頼の規模もさまざまで、座席レイアウトのみのご依頼も多数いただきます。
見た目の美しさ以外にも、職場関係の円滑さや働きやすさにも貢献するのがオフィスデザインの醍醐味。
お悩みの際は、まず一度プロにアドバイスを仰いでみてはいかがでしょうか。

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