目次
- 1.照明がもたらす効果とは?
- 2.オフィスの照明に適した種類は?
- 3.照明選びのポイントとは?
- 4.オフィス内でも色分けすべきか?
- 5.オフィスデザインのプロに照明も任せるべきか?自分たちでできるのか?
1.照明がもたらす効果とは?
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まだ電気が普及する前、日光や炎のあかりだけが人類にとっての照明でした。晴れた昼間は外からの光を取り込み、足りない分はロウソクで室内を照らしていたのです。
19世紀になるとガス灯が普及し、夜間でも屋外に照明を設置することができるようになりました。その後、より安定し、かつ火災などの危険性が減った電灯が発明されることになりますが、日本において普及率が高まったのは、20世紀初頭(大正時代)になってからのこと。
現代においても、照明の存在は必要不可欠。本来の用途は「暗い空間や手元を照らすこと」と、生活必需品としてなくてはならないものでした。そこから街ネオンサインや舞台のスポットライトなど、デザインの役割も担う存在となったのです。
そんな照明の効果は多種多様。大前提として、何か作業をするならば、相応の光量を確保しなければなりません。でもずっと煌々とした空間にいては、リラックスするヒマもありません。
我々の生活を豊かにしてくれる照明ですが、色・光量・光の広がり方etc…これらを適材適所で使い分けることにより、作業効率や心理面にも、大きく影響させることができるのです。
2.オフィスの照明に適した種類は?
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では、オフィスにおける照明の適材適所ってなんでしょう…?はじめに押さえておきたいポイントとして、オフィスにどのくらいの明るさが必要であるかという点です。
日中は窓からの光も入りますが、日没後、照明の光だけに頼らなければならなくなったとき、昼間と見え方が変わってしまうと作業効率にも影響します。
また、いくら晴れていて窓から太陽光が差し込んでも、オフィス全体が照らされるとは限りません。
必要なところに影があっては困りますから、大抵は昼間も照明をONにしておくことになるものです。従業員が全員帰宅してからも、防犯上の理由で最低限の照明はつけっぱなしという場合もあるでしょう。
つまり、そのぶん電気代もかさむわけで…。
省エネ対策として、現在主流なのがLED。従来の蛍光管と比較して、耐久性が向上したのはもちろんのこと、電気代も大幅に節約できるようになりました。
LEDも、初期のころは「青白いし真下しか明るくならない」と不評でしたが、今の製品は白熱級や蛍光灯と同等か、それ以上に光が広がりやすくなっています。
オフィスの作業場に安定した明るさをもたらすには、これ以上に適した照明はないでしょう。
3.照明選びのポイントとは?
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大前提として「見やすさ」が重視されることなので、PCモニターや手作業をするシーンにおいて、暗すぎるものは論外。ですが、過度に明るすぎても、眼精疲労のもととなるのでオススメできません。
なるべくならば、昼も夜も、一定の光量を保てることがのぞましいでしょう。また、光の広がり方や角度にも着目してみましょう。手をかざしてみるとハッキリ影ができ、かつ全体にふわっと広がる明るさが、一番目にも優しい照明です。
ピンポイントで一点に集中してしまうと、モニターに反射したり、ちらつきが気になるはめに。反射も含め光源が目につくと、眩しすぎてストレスにもなり得ますので、ワット数が強すぎてもいけません。
天井の高さやデスク配置とも相性があるため、難しいところではありますが、もしどうしても照明の光がモニターの邪魔になる場合、モニター側に反射・ちらつき防止のフィルムを貼るという手も。
また、同一空間内において、スイッチがどのように分かれているかも重視しましょう。省エネ対策のためには、1つの部屋のすべてが同時にON・OFFとなるよりも、必要な場所だけ照らせるよう、なるべく細分化されている方がいいですね。
4.オフィス内でも色分けすべきか?
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ここまでは「見やすさ」を観点に置いてすすめてきましたが、照明といっても、色味はさまざま。オフィス内でも、この色味をぜひ使い分けて欲しいのです。
一般的に販売されている電球の色味は、大抵3~4種類のラインナップ。(メーカーにもよります)
- 電球色(約3000K) → フィラメント式のいわゆる電球の色そのもので、暖色系。
- 温白色(約3500K) → やや暖色よりだが、自然光にもっとも近い。
- 昼白色(約5000K) → 太陽光にもっとも近い色温度。色が一番見本通りに映る。
- 昼光色(約6500K) → やや青白いめの寒色系の光。
例えば、製品やグラフィックなどの色を、シビアに確認しなければならない業種であれば、自然光に近い色味が適しています。その場合は昼白色がベスト。
おもに書面の作成など、文字を扱うことが多いなら、クールな昼光色のほうが集中力が高まります。
モニター側の調整機能で、ある程度個々に見やすく作業でき、かつアットホームな雰囲気がほしいならば、温白色を選ぶとあたたかみが感じられる空間に。肌の血色もよく見えるため、いきいきとした印象があたえられます。
いちばんリラックス効果があるのは電球色。作業においては、実物よりも赤みが強く映ってしまい適さないケースが多いのですが、休憩スペースやトイレなどに取り入れることにより、落ち着いた空間を演出することが可能となります。
また、料理がおいしく見えるのも暖色系の照明ならでは。キッチンスペースや食事スペースにもオススメですよ。
照明の色はクロス材など、面積の多い素材とも混ざり合い、部屋そのものの見え方をガラリと変える効果があります。ケルビン(K・色温度)があがるにつれて、光は寒色系となってゆくので、背景との組み合わせも考慮するのがベストです。
5.オフィスデザインのプロに照明も任せるべきか?自分たちでできるのか?
明るさはワット数、色温度はケルビン。
この2つを押さえておけば、自分たちでも照明を変えることができるかも…?電球の交換なら、用務員さんにお願いしてもいいですし、脚立を出して従業員が済ませることもできる作業。
一見、ものすごく簡単な作業に思えるかもしれません。ですが、センスのいい間接照明や、部署ごとに適した調光をするとなると、既存の設備だけでは取り付けられない可能性もあるのです。
例えば新たにダウンライトをつけたいとなれば、天井に穴をあける必要が発生します。加えて配線工事も、電気工事士の資格が必要な作業。また、照明のコーディネートは「ライティングデザイン」の一環でもあり、それを専門にしているデザイナーも存在するほど。
自宅であれば、既製の照明器具を購入して取り付けるくらい造作もないことですが、やはりビジネスの場であるからには、オフィスデザインの一部として真剣に向き合いたいもの。
感電・火災の恐れなども考慮すれば、DIYでの施工は絶対にオススメできることではありません。