パーソナルスペースを重視したオフィスデザインとは?

日常生活において、自分と他者との距離感に悩まされるシーンはありませんか?
「広く空いているのに、こんなに近くに来なくても…」

16 JUL 2021

目次

1.パーソナルスペースとは?


出典:https://medicaregranny.com/

「プライバシーが保たれない気がして、落ち着けない…」など。実はこのモヤモヤ感、プライベートだけでなく、仕事場においても悩まされている人は少なくありません。

こういったモヤモヤ感なしに過ごせる空間のことを『パーソナルスペース』と呼んでいます。語源は“personal(個人的な)”と“space(場所)”から。

簡単に説明するならば、パーソナルスペースが広い人は、よりプライバシーを重視する傾向にあり、狭い人は開放的である傾向、というとピンと来るかもしれません。つまり“心の縄張り”のようなものと覚えておくとよいでしょう。

“場所”といっても物理的に見えるスペースではなく、一個人が精神的な安心感を得られる距離感を指すものなので、人により体感値が異なります。また、同一人物であっても、TPOに応じてパーソナルスペースの面積が変化することも。

今回は、その“パーソナルスペース”の傾向や、オフィスをデザインする際にどのような配慮が必要かに迫っていきたいと思います。

2.一人ひとり異なる。パーソナルスペースの傾向とは?


出典:https://www.skillsconverged.com/

視覚的に見えるモノではないので、一人ひとりに合わせて「空気を読む」ことが重要となるパーソナルスペース。
ですが、心理学者などの研究により、おおまかな基準となる平均距離が算出されています。

おもに4つの区分における、パーソナルスペース傾向を見ていきましょう。

●公衆(公共)距離

まったく知らない他人とは、最低でも3.5m、可能であれば7.5mほどの距離を保てると、人はさほど警戒心を抱かずにすむとされています。
ビジネスシーンにおいては、セミナー等で登壇者と受講者間に、これくらいの距離があるのが望ましいといえそうです。

●社会距離

地域の人や職場など、必要なシーンでのみ付き合う間柄の人との適切な距離感は、一時的に隣で会話するなどをのぞき、1.2m~3.5mくらいがベスト。
デスクやテーブル越しくらい離れていると、作業にも集中しやすくなります。
オフィスにおける普段の距離感は、この“社会距離”を目安にしてみましょう。

●個体距離

親しくしている友人や同僚などがこれに該当し、45cm~1.2mほど。
つまり頻繁に体が接触するわけではないけれど、手を伸ばせば届く範囲まで近づいても不快感がない距離です。
しかしいくら親しい仲でも、異性の場合は注意が必要。
「近い」と感じるか否かには個人差もあるため、状況や相手に応じて判断shなければなりません。

●密接距離

家族や恋人など、ごく限られた相手が対象。
TPOに応じて0~45cmと、至近距離にいてもまったく気にならない存在にのみ許される距離感です。

例えば『公衆(公共)距離』の3.5m~7.5m。
仮に、赤の他人と7mの距離を保つとすれば、路線バスの全長より若干短い程度まで離れなければならないことになります。街中や駅ではなかなか難しいでしょう。
混雑した場所や満員電車を不快と感じる人が多いのも、この距離が保てていないためです。

オフィスにおいてポイントとなる『社会距離』はどうでしょう。
1.2m~3.5mは、現在のコロナ禍中であれば、それくらいの距離でデスク配備がされているかと思います。
一人ひとり感じ方も異なるうえ、あまりにも距離があると仕事上の連携もしにくくなってしまうため、現在の社風や部署の人間関係など、さまざまな要素から適切なパーソナルスペースを見出す必要があります。

3.男女で異なるパーソナルスペースをオフィスデザインに反映する


出典:http://www.ocjordan.com/

前項では、公衆・社会・個体・密接の4傾向で、目安となる距離をご紹介しました。ですが研究によると男性と女性では、単純な正面距離だけでなく、方向の違いがあることも解明されています。

一般的に男性は、前後への警戒心が強く、前後に最低限1mほどの距離を保ちたがる傾向に。逆に左右に対しては至近距離での接触も得意なほうで、横並びで会話するとコミュニケーションがスムーズというデータも。

女性の場合は、前後左右関係なく、他人とは正円状に最低1.2mほどの距離を保ちたがる傾向にあるようです。全方向に警戒心を抱きやすいため、テーブルやデスク越しなど、適度な障害物があることでコミュニケーションがとりやすくなります。

あくまで“傾向”であり、個人差こそあるものの、人間という動物の本能が働くのかもしれませんね。

こういった性別の差をふまえると、社内や取引先の担当などの男女比率を考慮して、オフィスレイアウトを考案してゆくと、みなが快適に働ける空間づくりが可能となります。

4.パーソナルスペースを重視すれば業務に集中しやすくなる?


出典:https://www.officelovin.com/

さて、4つのシーン別パーソナルスペースおよび男女差がわかったところで、それらを意識することにより、作業効率にもメリットが生じるのでしょうか?

答えはYES。

1日の大半を過ごすオフィス環境。

デスクワーク時は、机の配置からおのずと1m~2m弱が保たれると想定します。パーソナルスペースの『社会距離』は1.2m~3.5m。これと比較すると、一般的なデスク配置はやや近くなる傾向に。『個体距離』が許される、親しい同僚でのみ構築された部署であれば話は別ですが、基本的には長い時間、パーソナルスペース内に他者が存在することとなってしまいます。

ですが、オフィス面積の都合もありますし、チームワークを必要とするシーンでは、デスク間が3mも離れていては、不便を感じることも少なくないでしょう。

その場合、パーテーションや観葉植物などの、視線をコントロールするアイテムが役立ちます。物理的に離れることはできなくても、互いの視線を適度にシャットアウトすることで、卓上やPCに集中している間、周囲の存在を感じにくくさせることなら可能です。

ただし、あまりに背丈のある遮蔽物では、やはりコミュニケーションが取りづらくなってしまうので、着座したまま背筋を伸ばし、顔をあげればまわりが見渡せるようになるくらいの物がベスト。

また、フリーアドレスや休憩所などの、オープンスペースを導入するのもオススメです。可能であれば、座席バリエーションも増やしたいところ。他者が隣接しないゆったりした座席から、1~少人数でのみ利用できる対面式テーブルまで、幅広くバリエーションを設けることにより、従業員側に選択権があるのが望ましいです。

同じ人でも、その日の気分やスケジュールの過密度により、パーソナルスペースが変化することがありますから、こうした気分転換を図れる場所は、集中力向上や発想の転換にも有効なのです。

5.パーソナルスペースを尊重したオフィスデザインにはプロに任せるべき。その理由とは?


出典:https://officesnapshots.com/

「ウチの会社(部署)は、みんな友達みたいに仲良しだから大丈夫…」

こう思った方もいらっしゃるでしょう。確かに、実際そういった職場はありますし、人間関係が良好なのはよいことです。

ですが、いくら普段は『個体距離』で問題なかったとしましょう。とりわけ集中しなければならない正念場や、あまり気分が優れないときなど、親しい間柄でもちょっと一人になりたい…と思うのは誰にでもあるもの。そのためにも慢心せず、メリハリのあるオフィスレイアウトを取り入れることが重要なのです。

この“メリハリ”、言葉でいえば簡単なようにも聞こえますが、突貫でやってしまうと、“チグハグ”なオフィスになってしまいがち…。そんな落とし穴が潜んでいる、いわばデザインの難関です。

この難関を突破できるのは、やはりインテリアと人間心理の関係性を理解した、オフィスデザインのプロだけ。限られた面積を有用に、かつ誰もがストレスフリーに働けるノウハウは、デザイン経験がなくては不可能なことなのです。

従業員のパーソナルスペースと、どのように向き合っていけばよいか?設計前には、社内の男女比率・年齢層・問題点などを徹底的にヒアリングして、貴社にとってベストな空間を提案いたします。オフィスデザインによって生産性が向上した例も数多くありますので、まずはぜひ一度ご相談いただければと思います。

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