コロナ禍でもテレワーク不可の企業が気をつけるべきことは?

目次

1.厚生労働省による(2021年2月時点)新型コロナウイルス感染症の“いま”に関する11の知識


出典:https://www.quillsuk.co.uk/

現在、一部都府県では「まん延防止等重点措置」が実施されています。緊急事態宣言も解除され、温かい気候になってきました。例年と比べればお花見客は少なかったようですが、これからゴールデンウィークも始まります。

「自粛疲れ」が取りざたされる今、ここでも人々の移動は起こり得るかと思われます。実際、大阪府では感染者が増加傾向にあり、はやくも第4波が懸念されつつある状況です。

厚生労働省の“新型コロナウイルス感染症について”のページを見てみましょう。
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000164708_00001.html

この中に“新型コロナウイルス感染症の”いま”に関する11の知識”という項目があります。
https://www.mhlw.go.jp/content/000749530.pdf

昨年(2020年)10月時点では“10の知識”でしたが、今年2月(一部3月中に追記)、新たに“11の知識”として公開された情報です。主な変更点としては、実用化され始めたワクチンに関することや、今注目されている変異株について。

ワクチン接種は、優先順位が定められていますから、我々働く世代にとっては、基礎疾患を抱えている方を除いてはまだ当分先になる見込みです。

変異株に関しても、RNAウイルスに分類されるコロナウイルスの特性上、流行下でその特性や感染力を変化させていくのは珍しいケースではありません。
従来型・変異株ともに、私たちが取り組める感染予防対策は、今までと同様とされています。3密の回避、うがい手洗い・消毒・マスク着用が肝要であることに変わりはありません。

2.なぜ、テレワークが普及しないのか?


出典:https://www.globaltimes.cn/

人が密になる状況を避けるべく、政府はテレワークの推進をし続けています。緊急事態宣言下での目標は、7割の出勤者を減らすというものでした。
しかし、実際にテレワークに移行できたのは、最大時でも全体の3割程度。継続的にテレワークを導入できたのは、1~2割ほどでしかなかったという声が多数。

では、いったいなぜテレワークが普及しないのでしょうか?

端的にいってしまえば、「日本の労働文化と合わない」ことが一番の原因。デジタル化が進んだ現在でも、紙の書類はまだまだ現役です。書類があるかぎり、物理的にハンコを押すならば人が出勤していなければなりません。

さまざまなテレワーク向けアプリケーションがありつつも、結局は対面で処理していくのが手っ取り早いと感じている層が多いのです。

また、業種的にテレワークが可能だとしても、社のデータを外に持ち出すことに不安があるのは当然のこと。仮に回線上のセキュリティを完璧に対策できたとしても、個人がデバイス・データそのものを紛失してしまったり、盗難に遭ってしまうケースも懸念しなければなりません。

加えて一定の社員を在宅勤務にシフトさせる際、人事の面にも大きく負担がのしかかります。

・セキュリティ強化
・データ管理のリテラシー教育
・紙書類の廃止

こうして言葉で述べるのは簡単ですし、現場もわかってはいるのです。ただ、実際に導入しようとなるとコストもかかるうえ、日本人の肌に合わないといった点が大きな足かせを感じさせてしまう…。

歴史的にも「文化」は歳月を経て徐々に変化していくもの。新型コロナウイルスが深刻化されたのはまだ昨年頭ですから、急にテレワークしろといわれても混乱するのはやむ得ません。

技術的にはテレワークが可能であれど、まだまだ重たい腰があがらないのが実状でしょう。

3.テレワーク不可の業務の授業員に対して求められる配慮とは?


出典:https://www.nj.com/

組織の規模や社風にも左右される点ではありますが、会社が決めてくれない限り、一社員が声をあげるのは困難です。また、結局は出社したほうが早いと思いながらも、通勤・勤務中の感染が不安に感じる人はたくさんいます。

これに対して企業側が応えられる点はいくつかあります。

オフィスデザインによる感染対策

デスク配置や仕切りの見直し、換気設備の導入等で、安心して室内で働ける環境を整えます。3密を防ぐのにもっとも有効な手段。

検温管理

出社時に通用門で検温をできるシステムを設置。非接触型の体温計や、カメラ式のものが望ましいです。残念ながら未発症感染者の検知は不可能ですが、発熱がある従業員が発覚するだけでもメリットは大きいといえるでしょう。

ただしいマスクの着用方法、手洗いや消毒の啓蒙

実は、他者のマスクの取り扱い方でストレスを感じている人が意外とたくさんいるのです。鼻を出す、マスク表面を頻繁に触れる、食事中に外したマスクの置き方etc…。面と向かって言えない立場なども配慮して、企業側がきちんと啓蒙することが大切です。

社内コミュニケーションのチャット化およびWEB会議化

社内で話をしなければならないシーンでも、なるべくチャットやWEB会議アプリを使いましょう。そうすることで少しでも飛沫の拡散を防ぐことが可能です。

各種アプリケーションの導入も、社内での利用に限定すればセキュリティ対策もしやすいはず。

可能な範囲での時間差通勤

テレワーク不可となると、時間差通勤も少々ハードルは高いかもしれません。しかし朝礼での伝達事項を回覧制にすれば、各従業員が必要なアポイントに合わせて出勤時間を変更できるため、同一時間帯に在席する従業員数を減らすことが可能となります。公共交通機関をラッシュ時に利用せずに済むというメリットも。

マスク着用に関してもそうですが、個々で言い争いになると人間関係のトラブルへと発展してしまいます。感染に対する恐怖心は、各個人の家族構成や基礎疾患の有無などによってバラつきがち。

これらの配慮を、企業側から意思表示してくれると大変ありがたいものなのです。

4.いま、必要なのは非接触型オフィス?


出典:https://strongproject.com/

前項の「求められる配慮」トップにも挙げましたが、やはりオフィス環境の改善が重要です。中でも新型コロナウイルス対策として注目されるのが「非接触型オフィス」。

これまでも度々取り上げられてきましたが、一番の見直しどころはデスク配置。定番の「島型」は、コミュニケーションの取りやすさから重宝されていましたが、人と人が対面になってしまうため、Withコロナの時代には不向きです。

一番良いのは「対角線型」や「スクール型」ではありますが、スペースの関係から必要なデスクを置けなくなってしまうという難点も。

どうしても島型を崩せない場合、クリア素材のロールスクリーンを用いて飛沫が直接飛ばないように配慮する必要があります。ただし同時に着目してほしいのが空気の循環。

天井からロールスクリーンで覆ってしまうと、空気の流れが妨げられてしまいます。これではコロナ対策に必須な「換気」が不十分。適度な隙間をもうけてぶら下げるのがオススメです。

また、不特定多数の人が触れる設備にも気を配る必要があります。複合機や電話機、スイッチ類のこまめな消毒はもちろんのことですが、トイレや給湯室の水栓ハンドル、オフィスに出入りするたびに触れねばならないドアの取っ手も要注意ポイント。

なるべく腕や足で操作できるタイプや、手をかざすだけのセンサー式に変えると安心感が高まります。

デザイン性を重視したいなら、銅や真鍮製のドアノブを採用するのもよいでしょう。銅を含む材質は抗菌作用が高いとされ、同様にウイルスにも効果的。コロナウイルスはプラスチックやガラス上では数日間は生存しますが、銅の上だと数分~数時間以内に死滅するのです。

ある研究によれば、設置から100年以上経過した銅製の手すりでさえも、抗菌作用を持続しているとのこと。銅・真鍮は少々ニオイが気になりますが、経年変色で独特の風合いが楽しめることから、人気のインテリア部材です。

他にも、従業員がオフィス内で歩く方向を一方通行に指定するなど、動線によっても「非接触」を実現させることが可能となります。まずは少しの工夫から、みんなが安心して過ごせる「非接触型オフィス」を目指しましょう!

5.オフィスデザインを駆使することで、クラスター発生を回避できるのか?


出典:https://officeworks.co.uk/

テレワークが不可であれば、企業側が最大限の配慮をしなければならないことがおわかりいただけたかと思います。
オフィスデザインの力を駆使することも、その中のひとつ。
前項でもご紹介した「非接触型オフィス」をはじめ、プロならではのノウハウでWith コロナ時代にふさわしいオフィスレイアウトをご提案させていただきます。

では、オフィスデザインだけでクラスター発生を回避できるのかと言われると…?

もちろん、現在では建材も進化していて、抗ウイルス素材を用いて予防に努めることは可能です。動線のアドバイス、空気循環の改善、レイアウト問題もデザイナーが解決できます。

しかしながら、いくらオフィスデザインを駆使したところで、企業をはじめ、従業員ひとりひとりの意識改革も伴わないと、本当に安心できるオフィスは完成しません。

安全性を配慮したオフィスでも、正しいマスク着用・手洗い・消毒を怠っていいわけではありません。職場クラスターを回避するには、みなさまの協力があってこそだという点を忘れないでくださいね。

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