出社率30%を前提としたオフィスデザインとは?

目次

日本でリモートワークが一般的に認識されるようになったのは、新型コロナウイルスの影響が一因といっても過言ではありません。不要不急の外出自粛にともなって、オフィスワーカーたちにもできる限り在宅勤務にシフトすることが求められる世の中になった今…政府が目標として掲げる“出社率30%”を前提としたオフィスは、どのようなデザインにしていくのがよいでしょう?

1.コロナ禍により、全社員が出社することはない時代が到来か?


出典:https://www.manhattan-institute.org/

2021年1月8日、昨年春以来の緊急事態宣言が発令されました。

今回対象となる自治体は全国的ではないものの、人と人との接触を防ぐべく、再び出勤者数の削減を求められることに。政府の目標としては「出勤者数の7割削減」。つまり、出社率を30%以内におさめようという試みです。

しかし、1月半ばのニュースによると、これらを実践できているのは全体の3割ほどとのこと。

去年、「リモートワーク」というキーワードが一気に日本に浸透しましたが、やはり実際に導入するとなると、まだまだそのハードルは決して低いとは言えないようです。これには元来の日本人気質のせいもあるかとは思いますが、実際問題、社員同士が在宅でコミュニケーションを取りあうとなれば、それにともなう設備も必須となってしまい、資金力が弱い企業にとっては痛手となるでしょう。

また、業種による向き不向きもあるわけで、まだまだ日本はリモートワークについては発展途上と言わざるを得ない状況です。しかし、発展途上はポジティブに考えれば今後発展の余地が大いにあるということ。コロナ禍は、私たちのビジネススタイルに、多大な影響をもたらしたのは間違いありません。

2.緊急事態宣言中でなくとも出社率30%以下をキープできるのか?


出典:https://www.brickendon.com/

現在は新型コロナウイルス感染拡大予防対策として導入されているリモートワーク。ですが、このような働き方は実はコロナ禍以前からも注目されていたものです。出社率を減らすことができれば、企業としてもさまざまな無駄を省くことができるのが大きなメリット。また、従業員の立場からしても、今までよりもより有意義に時間を使うことが可能となるでしょう。

具体的なメリットとしては
*通勤・帰宅に費やす時間の削減
*通勤・帰宅に費やす交通費の削減
*オフィスを簡素化できるため、設備費が減る
*家事・育児などと並行しながら働きやすくなる
*新型コロナウイルスに限らず、従来から存在した季節性ウイルス対策も可能
*リモートワークツールがより充実し、仕事効率がUPする
などが挙げられます。

今はまだ多数の企業が戸惑いを感じながら実践している最中ですが、これらのメリットをいち早く活かせれば、今後も出社率を下げて運営していくことは大きな意義があると考えられますね。
すでに海外においては、フリーアドレス化をはじめとした自由な働き方が定着し、その延長線として“必要最低限しか出社しない”スタイルを実現している企業が数多くあります。ますます発展するであろうグローバル化に乗じて、今後は日本国内でもこのような働き方が定着するのは間違いないといえるでしょう。

3.出社率30%を前提としたオフィス選びのポイントとは?


出典:https://www.easyoffices.com/

では、まず目標とされる出社率30%を目指すためには、どのようなオフィス選びをすべきか考えていきましょう。まず皆さんが一番真っ先に頭に思い浮かぶことは、オフィスレイアウトの見直しかと思います。

既存のオフィスで密を避けようとした場合、従来のデスク配置を見直したり、人を分散させるべく広い会議室を少人数で使うなど、スペース上の無駄が発生してしまうことが避けられません。
そこでブース型のオフィスにするなど内装や什器類を工夫して、出社した従業員が効率よく着席でき、かつ安心して働ける環境に変えていくのです。

また、Web会議ももはや社内だけでなく、取引先や顧客などとの商談にも使われるようになりました。周囲の雑音や背景など、話し相手に失礼のないよう工夫していく必要があります。もっとも、大抵のWeb会議アプリは背景を任意に設定できるものがほとんどですが、もし美しくデザインされたオフィスをそのまま背景として使うことができたならば、有利な自社アピールになることは間違いないでしょう。

4.出社率30%を前提としたオフィスデザインをする際に気をつけることは?


出典:https://visi.co.za/

ウイルスの感染拡大防止策として、まず内装に着手した企業がほとんどです。そしてリモートワーク化にともなって、さまざまなアプリケーションを導入されたことでしょう。

しかし、真の意味での「オフィスデザイン」は、内装のみがウイルス対策できればよいというものではありません。出社する人・しない人、双方にとって見直さなければいけないデザインはまだあります。

1.ICTデザイン

ICTとはInformation and Communication Technologyの略であり、情報通信技術のこと。これまでも社内ネットワークは存在しましたが、リモート化が進めばさらにICTを充実させていかなければなりません。

昨年の緊急事態宣言以降、各企業もこれらの導入には尽力しましたが、まだまだ現場の声には不満が混ざっているのが現状。たとえば、会議やデータ類のやりとりはリモートで済むものの、全社員へのアプリケーション配布・設定管理ができていないなどの理由から、ハンコやFAXを取りにいくためだけに会社に足を運ばなければならない人もいるようです。

ただ、すべてをオンライン任せにするのはセキュリティ面での心配も懸念されるかと思いますので、専門家とじっくり相談しながら、予算内でどこまで普及させられるか早めに見据えておくことがオススメです。

2.制度デザイン

これは直接新型コロナウイスル対策となるわけではないものの、従業員にとって最も重視されるポイント。ここで挙げる「制度」とは、社員への評価や就労管理についての制度です。旧時代であれば、結果はもちろん勤務態度ひとつひとつが評価対象となりました。出退勤も、物理的に従業員がその場に存在していたか否かなので、(みなし残業や不正はともかく)目に見えてわかりやすいデータだったことでしょう。

しかし在宅ワーカーが増えるとなると、従来の方法では社員を適切に評価するのが困難です。たとえば、社員Aは勤務態度やコミュニケーション力は並だけど、仕事だけは完璧にこなす人、社員Bは少しばかり不器用だけれど、勤務態度は良く周囲との連携が円滑に進められるがゆえに仕事をこなせていたとします。

これが上司の目の前で繰り広げられていれば評価もしやすいものですが、在宅ワークとなると結果までの過程が見逃されがちに。こうした点でどのような評価をしていくべきか、今後新しい制度を組み立てていく必要があります。

「オフィスデザイン」と聞くと、見た目のことばかりを考えてしまいがち。ですが、企業の拠点であることを踏まえ、ICTや制度面でのデザインも忘れないように注意しましょう。

5.社内で密になることを避けるためも、オフィスデザインのプロに任せるべきか?


出典:http://workriteergo.com/

オフィスレイアウト・ICT・制度…これらをどのくらいの期間及びコストで改善できるかは、企業が今までどの程度リモートワーク化を推進していたかに左右される問題。
もともと少人数制のオフィスであれば、比較的簡単にシフトすることが可能かもしれません。

ですが、一般的な視点で見れば、まだまだ日本企業にとっては馴染みの薄いことばかりかと思います。密を避けるオフィスレイアウトを作るにしても、社員たちでできることといえば、デスク配置の見直しか、アクリル板やビニールカーテンでの仕切りを設けることくらいです。一時的な対策としては大いに有効な手段ですが、まだ終息の見通しが立たないコロナ禍において、仮設的な設備の中で仕事をするというは、外観上はもちろん精神衛生上もイマイチですよね。

アフターコロナにおいても効率よく働けるオフィスを目指すならば、やはりそれぞれの分野の専門家に委託するのがベストではないでしょうか。オフィスデザインのプロであれば、内装はもちろん、ICTについても電気工事や配線の的確なアドバイスを示すことが可能です。

また、制度デザインに関しては社労士やコンサルタントとよく相談して決めるのがベスト。オフィスデザインには、従業員の心身を守る多面性があるということをぜひ頭に入れておいていただけたらと思います。

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