おしゃれなオフィスは好きですか?ファーストコンタクト「受付」を極めよう

 

最近は、まるでホテルのエントランスのような高級感や、カフェのような癒し空間など、そのデザインやテーマも様々。おしゃれな受付スペースに人気が集まっているようです。では、お客様の印象や社員がモチベーションをアップするエントランスとはどのようなものなのでしょう。定義と実例を見てみましょう。

目次

1.そもそも「オシャレオフィスの受付デザインとは?」

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オフィスの受付は、お客様が最初に訪れる場所であり、スタッフにとっても自分が出社する時に最初に通る空間です。したがって、エントランスはオフィスの顔であり、社員のモチベーションを決める空間であると言っても過言ではないでしょう。

事実、優良企業と呼ばれる企業は、単なる受付ではないデザインをエントランスに取り入れています。企業のブランドをエントランスで表現しているのです。

では、おしゃれな受付デザインとはどのようなものでしょう。

機能性だけを考えれば、有人エントランスなら受付のスタッフがいて、デスクがあり、電話があれば事足ります。無人エントランスでも、受付用のインターフォンや電話だけで用が足りるはずです。しかし、そこに「おしゃれ」というキーワードを足すことには、理由があります。

おしゃれなオフィスは、エントランスを単なる受付機能がある入口として捉えているのではありません。企業の重要な第一印象として、ビジュアルやアイデンティティを意識しています。それらをデザインに取り入れることによって、企業の理念やブランドを伝え、付加価値を感じることができる空間を作り上げています。

オフィスの受付デザインは、お客様に対しては企業価値を高め、社員に対しては帰属意識と就労へのモチベーションを高める役割を果たしているのです。

例えば、使用するカラーによって、様々な印象やブランドを伝えることができます。

エントランスの壁配置する企業のロゴやコーポレートカラーは、企業のイメージカラーを伝えることができます。同時に、色が与える印象をお客様にも与え、その企業のイメージも認識させます。ブルーであれば「クール」「清潔」「知的」「冷静」「IT」、オレンジならば「親近感」「利便性」「明るさ」、グリーンならば「安心感」「中性的」「エコ」「癒し」などの印象を与えることができます。

エントランスでカラーを目にすることで、訪問するお客様に対しては企業の第一印象をアップさせ、スタッフに対しては理念やイメージを意識させています。

色に統一性やメッセージ生を持たせるだけでも、デザイン的におしゃれになり、且つイメージアップにもなるのです。

次に、企業理念やマインドなど、形に見えないメッセージをデザインに施すこともおしゃれ度をアップさせる方法です。

お客様は、受付に訪問して案内されるまでの少しの時間、エントランスで過ごすことになります。このときに、オフィスの空間を意識して目にするでしょう。なぜなら、その後の打ち合わせや営業に、会話の共通点や切り出し、会社の方向性を見つけるヒントになるからです。

この時のために、視覚的なグラフィックを利用することが有効です。壁紙などの大掛かりなものではなく、絵画やポスターなど比較的安価で簡単に取り入れても構いません。オブジェを配置している企業もあります。デジタルサイネージで映像を流し続けるのも良い方法です。

インパクトが強ければ、デザイン性はさらに高くなります。エントランスが美術館やおしゃれなカフェ、ホテルのラウンジのようにくつろげる場所となり、その後の商談も雰囲気よく進めることができるでしょう。

また、受付やエントランスの概念を捨て、オープンな空間にするのも最近流行のデザインです。エントランス兼カンファレンス、スタッフのワークスペースやリフレッシュのためのフリースペース、セミナー開催やイベントまでもできるホールタイプのエントランスにしているオフィスもあります。

このデザインは、昨今の働き方改革により広がってきたデザインでもあります。ワークスペースを明確に制限するのではなく、時にはデスクで、時にはフリースペースで、またはカウンターやロビーで思いついたアイディアをメモするように、カジュアルでオープンな働き方がデザインに活かされているのです。

エントランスがこのようなオープンスペースになっていれば、お客様もその場で打ち合わせやセミナーが可能となり、スタッフや他の取引先の様子や関係を感じ取ることができます。

フリースペースがあれば、カフェのようにくつろいで商談することができるでしょう。他のお客様やスタッフとのコミュニケーションも自然とすすみ、新しいアイディアやビジネスチャンスが生まれるかもしれません。

来訪者にとっては、エントランスや会議室だけではなく、その企業の実際の働く場所に身を置くことになるので、エントランス以上にその企業の風土やイメージを感じとることができます。

社員にとっては、社外の人もいるようなオープンで自然な空間でリラックスして仕事をすることができます。人々のコミュニケーションの場にもなり、新しいビジネスチャンスが生まれる機会も増えるでしょう。

おしゃれな受付デザインとは、デザイン的におしゃれなだけではありません。企業のアイデンティティを表現し、さりげなくブランドをアピールし、且つ居心地がよい空間こそ、「おしゃれ」であるといえるのです。この定義に基づいたデザインなら、受付に十分なスペースを確保できないオフィスでも取り入れることが可能です。

企業の受付エントランスには、訪問したお客様と、スタッフが快適であり前向きになる「おしゃれ」を演出できるデザインにしたいものです。

2.人はどんなポイントをチェックして「受付がオシャレ」だと感じるのか?

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では、具体的にどのような受付デザインであれば「おしゃれ」と感じるでしょう。ここで、企業のエントランスとしておしゃれであり印象アップにつながるデザインに組まれている狙いをみてみましょう。

⑴ 第一印象が勝負!エントランスに溢れるブランドイメージ

・企業の理念やコンセプトが感じられる

企業の理念や方向性、願いや社会貢献に対する考え方、倫理観など、言葉ではないイメージはとても大切です。それは、人間の第六感が感じ取るものであり、「なんとなく違和感がある」と感じられるとその後の商談はうまく進まないでしょう。反対に、「根拠はないけど同じベクトルに向かっていけそうな気がする」と感じられる場合は、多少の困難もうまく乗り越えていけるようです。

エントランスで理念などの企業のアイディンティを伝えることは、ビジネスを円滑に進めるためにも重要です。スタッフの帰属意識も高めるため、モチベーションアップの働きも期待できます。

・ブランディングが表現できている

ロゴやキャッチコピー、商品や優位性など、オフィスのブランドは様々な手法で拡散されるものです。

このブランドを、オフィスの受付デザインに取り入れることで、訪問者に対してブランドの価値や雰囲気を感覚的に理解してもらうことができます。

有効なのは、カラーや素材です。壁や床、ワンポイントにブランドイメージカラーを使うことで、統一感が生まれ洗練されたイメージとなります。素材によっても演出が可能です。布を使った家具は柔らかいイメージとなり、金属はクールで丈夫な雰囲気を伝えることができます。

この二つを踏まえて、具体的にどのような受付デザインがおしゃれであると感じることができるのでしょう。小さなオフィスでも取り入れることができる、オフィスの価値観をあげて且つおしゃれにみえる具体的なポイントをみてみましょう。

・企業イメージのキーワードが言語化できるデザイン

言語化とは、「癒し」「信用」「明るさ」「挑戦」「愛情」「洗練」など、その企業が醸し出す雰囲気が言葉にして表現することを言います。この言語化が明確であれば、そのオフィスの印象はアップします。

さらに、このデザインに統一性をもたせることで、洗練されたおしゃれなエントランスとなります。例えば、色や素材、テイストを合わせることです。

デザインには、まず、自社をどのように表現できるのか、スタッフと共有することからはじめましょう。自社の理念が「環境への貢献と日本文化の発展」だとすれば、エコや環境問題を表現して緑ある社会をイメージできるグリーンをメインカラーにすることができます。さらに、日本文化をイメージさせるのなら、淡いピンクをあしらうことで「春の桜」を想像させ、爽やかで穏やかな陽の光を感じさせることができるでしょう。

反対に、イノベーションを仕掛けるIT企業であれば「ブルー」に「シルバー」、または「エメラルドグリーン」などが有効です。パープルは高貴な色として使われるので、高い技術を他者との差別化にしている企業ならポイントカラーに使用しても良いでしょう。また、グラフィックや映像は、ダイレクトにイメージを伝えることがでいます。空間をうまく使い、ストレスが生まれないような配置であることが大切です。

⑵ 限られたスペースなら引き算デザイン

あれもこれも入れようとすると、雑多で落ち着きのないエントランスとなってしまいます。これではおしゃれとは言い難いですね。スペースが限られているからこそ、デザインを引き算してスマートでクールな配置をしてみましょう。

無地の壁にインパクトの強い絵画がひとつ。そんなエントランスは、絵画のインパクトが訪問者に強く残り、その絵画の持つイメージが企業の第一印象となるでしょう。

エントランスに大きな観葉植物をひとつだけ置いている企業もあります。その植物(ほぼ樹と言えるほどの大きさですが)の周りにはベンチが設けられ、訪問者や社内のスタッフが自由に腰掛けることができます。

訪問者は、観葉植物のそばでリラックスするとともに、オープンなイメージを抱くでしょう。コミュニティに招かれたと感じ、よりフレンドリーな関係を築くことがでいます。居心地の良さや洗練されたインパクトも、おしゃれなデザインに不可欠なのです。

⑶ 無人ならではのデジタルでさらにわかりやすく

受付にスタッフがいる場合は取り次いでもらえますが、無人の場合はお客様自身で呼び出し電話なり、部署を探さなければなりません。案内板を置いておく方法もありますが、変更になった時には修正するにも費用がかかってしまいます。

そこで、案内板をタブレットにしてみましょう。タップすることで案内が出るようにしておく、または音声が流れるようにしておくと、無人でも親切なご案内が可能です。修正や更新が出た場合も、データ変更なら簡単です。

⑷ 内線電話も企業のイメージに合わせたおしゃれなものに

無人の受付では内線電話が必須です。この内線電話をおしゃれにすると、印象がぐっと良くなります。クールでシャープなデザイン、懐かしさのあるアンティークなデザインなど、企業の雰囲気に合わせてチョイスしましょう。小物へのこだわりは余裕の証です。

⑸ グリーンでリラックスと清潔感を演出

受付に観葉植物があるだけで、明るくリラックスした空間となります。観葉植物は、癒しの効果だけではなく、空気清浄の役割も果たし、エントランスを快適な環境となるのです。また、観葉植物には風水効果もあり、特に玄関・エントランスに置くことで良い運気が流れ込み、悪い運気を浄化してくれます。

大きな観葉植物は、企業のシンボルにもなりますね。手入れを定期的に行うことも、スタッフのストレス軽減を促します。ぜひ取り入れたいアイテムです。

受付スペースやエントランスは、企業の第一印象を決める場所。同時に、企業のブランドや理念を伝える場所でもあります。 どのようにみられたいのか、何を伝えたいのかを明確化し、おしゃれなエントランスをデザインしましょう。

3.男性が思う「オシャレオフィスの受付」とは?

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多くのビジネスパーソンが、おしゃれなオフィスの方が、モチベーションが上がると感じていますが、中には「デザインは仕事に関係ない」「機能性が高ければ良い」と考える人もいます。それらの声の多くは男性スタッフ。男性と女性とでは、感性の違いがあるのです。

その感性の違いは、本能的な理由から。男性は、古代から集団で狩りをして集落の命を預かってきました。毎日命をかけて狩りを行っていたため、機能性や安全性が第一。おしゃれや見てくれは二の次なのです。

しかし、見た目を意識する場面もあります。それは、「強く見せたい」時。狩りをする時には、野生の恐ろしい動物に立ち向かう必要があります。そんな時に、強く、大きく見せなければなりません。

また、子孫を残す必要があるため、女性からも強く見られたいという願望があります。ライバルの男性よりも優位に立ち、より多くの女性からモテることも必要です。強く見える、大きく見えることは、生きるために必須なのです。

さらに、機能性、または高級感は、男性にとって相手を値踏みする際に重要視するポイントです。ここがチープになってしまうと、どんなにデザインが良くても「ダサイ」ものになってしまうのです。

従って、男性が「おしゃれ」と思う受付デザインは、「かっこよい」が基準です。鋭角的であり、重厚であり、どちらかというと威圧感のあるデザインを好む傾向にあります。相手より優位に立ち、強く、攻撃的です。

また、その場の空気を読み共感することが苦手なため、ダイレクトなデザインになります。ロゴやキャッチコピーを配置する場合も、わかりやすくダイレクトなものをよいと感じるでしょう。選ぶポスターや映像も、自社の広告を使い、理解しやすく言葉を使うでしょう。

とはいえ、カフェ風のオープンな空間を好む年代もあります。特に、クリエイティビティな職種の場合は、フリーでオープンなデザインをおしゃれに感じるでしょう。遊び心のある、ポップなカラーを好む人も多いようです。

自社のターゲット層が男性である場合は、機能性を重要視しつつも、男性が好む配置やカラー、雰囲気を意識してデザインする必要があります。

4.女性が思う「オシャレオフィスの受付」とは?

一方で、女性が「おしゃれ」と感じるオフィスは、デザイン重視です。

女性は、美しくおしゃれなものが好きです。なぜかというと、おしゃれなものや場所に囲まれていると、自分自身も美しく、理想の姿になれるからです。

実際、女性は身に付けるもので立ち居振る舞いが変わります。エントランスをおしゃれな空間にすることで、モチベーションが上がり、業績も上がるでしょう。

女性にとって、「おしゃれなオフィスに勤めているリア充な私」は何よりも大切。インスタ映えを狙うのも圧倒的に女性が多いですね。

また、女性は感性をとても大切にしています。ダイレクトなメッセージよりも、共感や空気に含まれるメッセージに敏感です。それは、古来より感性が生きる術だったからです。

男たちが狩りに行っている間、女性は集落を他の女性たちと一緒に守り合わなければなりません。そのため、女性同士で空気を読み、村八分にならない努力が必要です。村八分になったら、待つものは死。共感力は、女性が絶対に持たなければならない能力なのです。

さらに、女性は攻撃的なものから身を守ろうとする力が働きます。従って、威圧感のあるものやダイレクトな表現は好みません。男性が「おしゃれ」と感じるものとは真逆ですね。

デザイン以外で重要視するのは、安心や癒し、清潔感です。同じカフェ風デザインのエントランスでも、男性がスケルトンデザインを好むのに対して女性はウッドや布など柔らかく温かいものをおしゃれと感じることが多いようです。

安心感も大切な要素。狭くて暗いデザインは、不安感が大きくなります。明るくオープンなエントランスが良いでしょう。コミュニケーションが取りやすい空間は、女性が大切にする共感性も満足させることができます。

清潔感は、何よりも大切。どんなにおしゃれでも、汚いと感じさせては印象は一気に悪くなってしまいます。観葉植物に埃がたまっていないかなど、細かなところが目につくのも女性です。デザインする際には、掃除や整理整頓がしやすいように考慮する必要があります。

女性と男性では、おしゃれと感じるポイントが違います。ターゲットに合わせ、またはスタッフの男女比率も考えた受付のデザインを考えてみましょう。

5.オフィスの受付をデザインするときに外せないキーパーソンとは、どんな人なのか?

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女性と男性によって、おしゃれの感じ方は違うことがわかりました。では、実際にオフィスの受付をデザインするときに、どのような人の意見を取り入れることが大切なのでしょうか。

オフィスの受付は、オフィスに入室するために必ず必要な場所であり、訪問者が最初に訪れる場所であり、且つ、業務が行われる場所でもあります。綺麗でおしゃれであると同時に、機能性も大切です。使い勝手や動線が悪くては、ビジネスは円滑に進みにくくなります。

さらに、現在ではセキュリティや衛生面も考慮する必要があるでしょう。自社のセキュリティだけではなく、訪問者のプライバシーも守るための工夫やメッセージは、お客様の信頼や安心感につながります。衛生面についても同様です。除菌スプレーやアルコール、空気清浄機の設置は、清潔感を与え好印象です。

おしゃれであるだけではなく、これらの条件を満たすためには、経営者だけの一存でデザインを進めることは避けたほうが良いでしょう。 オフィスデザインは、現場を知るスタッフの意見が最優先なのです。

では、どのような人物がキーパーソンとなり得るのでしょう。それ答えは、まずは女性スタッフ、次に営業パーソンです。

女性スタッフがキーパーソンの理由は、デザイン感覚の高さによります。女性は、自分たちが良く見えるデザインも、他の女性が美しいと思うポイントを知っています。さらに、男性がかっこよく見えるポイントも知っています。どんなシチュエーションなら男性がかっこよくみえるのか、頼もしく見えるのかを感覚的に、経験的に知っています。その環境をデザインにどう活かしたら良いのか、イメージを具現化できるでしょう。

例えば、女性たちが好みのカフェデザインのエントランスを考えたとします。ここで女性は女性だけが美しく見えるデザインを考えるだけでは終わりません。カフェデザインを女性テイストにしてしまうのではなく、クールでスマートなデザインを取り入れます。こうすることで、一緒に働く男性スタッフが格好よく見える環境も作ることができます。

おしゃれでイケメンな男性スタッフが揃っている理想的なオフィスであることが、自分たちを高めることを知っているからです。

さらに、女性は細かなところにも配慮がまわります。どこに内線電話を配置するのか、受付をしてから案内されるまで待つスペースの動線やリラックス感、カフェスペースのデザインなど、相手の立場に立ったことを想像して、答えをデザインに取り入れることができます。これも、女性ならではの共感力です。

次に、営業パーソンの意見を聞くことで、対外的に好印象のエントランスをデザインすることができます。常にお客様の声を聞いている営業パーソンは、自社の強みやブランドを熟知しています。さらに、お客様が自社のどこを見て取引を進めようとしているのかも知っています。お客様視点で、エントランスのデザインを考えることができるのです。

極端な例ですが、独身の女性をターゲットにしていた商品が、実は子供が独立した40代後半の既婚女性に受け入れられている商品であることを営業パーソンが知っているとします。この場合、現場の生の声を知る営業パーソンの声を聞かなければ、隠れた強みやブランドをイメージしたデザインを組み込むことはできないでしょう。

おしゃれなデザインなのに、ブランドと強み、そしてアイデンティティを存分に発信できるエントランスを目指すためには、多角的な視点を持ち、外部や他者とも公平に情報共有できる人物がキーパーソンとなるのです。

6.オフィスの受付をデザインするときのNGポイントとは?

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次に、オフィスの受付をデザインする際の注意点を見ていきましょう。

・入れたいことをすべて入れてしまう

いくら自社のメッセージをデザインに込めるとしても、入れたいことをすべて入れてしまっては雑多な印象になります。 メッセージ性は最大公約数にした余白を活かすデザインにすることで、リラックスできる空間となるでしょう。

ロゴのタイポグラフィーや絵画やポスターなども、多く飾れば良いというものではありません。インパクトのあるものを1点に絞ることでアイキャッチとなり、印象にも残りやすいものです。何が一番重要なメッセージなのか、社内で十分に精査してデザインに挑みましょう。

・テーマがぼんやりしている

テーマがぼんやりしていると、やはり雑多なスペースになってしまいます。カフェ風なのかホテル風なのかクールなのかリラックスなのか、デザインに統一性がなくなってしまうのです。

・経営者だけでデザインを考える

経営者は、自身の想いの強さをそのままデザインにしてしまいがちです。これではスタッフたちの環境満足度は下がる一方。お客様にとってもやさしくなく、おもてなしが感じられない場合もあります。経営者は、予算を伝えるだけにとどめ、現場やお客様と直接話をしているスタッフたちにデザインを考えてもらいましょう。また、経営者の部屋の動線と、受付やエントランスの動線は違うものです。動線や機能性を考える点でも、お客様の立場や女性視点からの考察が必要となります。

おしゃれな受付とエントランスは、お客様の印象だけではなくスタッフのモチベーションも向上させます。企業の想いを盛り込んだデザインにすることで、どこかの真似ではないオリジナルのデザインとなり、スタッフの帰属意識も向上するでしょう。自社ならではのエッセンスを盛り込み、素敵なエントランスデザインを実現してください。

7.「オシャレオフィスの受付デザイン」の事例集

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では実際に、おしゃれな受付デザインの事例を見ていきましょう。受付には、有人と無人のタイプがあります。最近の無人のタイプでは、ペッパーくんなどのロボットに任せているところも多いようです。ここでは、ペッパーくんではなく、自社のブランドが見えるオリジナルデザインを実施しているオフィスを紹介します。

株式会社DeNA

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出典:http://blog.kushii.net/archives/1736921.html

モノトーンで統一されているため、会社名のロゴが際立つデザイン。ウェイティングスペースもオープンです。シンボルとなっている樹が印象的です。

ナレッジサロン- KNOWLEDGE CAPITAL|ナレッジキャピタル

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出典:http://gigazine.net/news/20130422-knowledge-salon/

ホテルのエントランス風。ウッド素材で造った高級感のある受付は、花で高級感を演出しています。 奥にはオープンなウェイティングスペースがあり、セミナー開催も可能です。

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出典:http://mag.sendenkaigi.com/kouhou/201309/office-innovation/000260.php

Amazonカラーではなく緑をメイン素材にした受付。 Amazonの梱包ダンボールとコラボしたアニメのキャラクターが出迎えています。企業のキャラクターがあるなら、ぜひ登場させたいところです。

サーバーエージェント

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出典:http://mery.jp/30848

サイバーエージェントのコーポレートカラーはグリーン。そのグリーンで統一されたエントランス。 こちらも、企業のキャラクターを配置しています。白をベースにしていることで、ポップでいながらすっきりとした印象です。

株式会社ジンズ

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出典:http://mythoughts.jin-co.com/message/000100.html

大型スクリーンが大きなインパクトを与えています。 会社のプロモージョンビデオを流せば宣伝効果は抜群。常に新しい情報を届けることも可能です。

Viibar

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出典:http://careerhack.en-japan.com/report/detail/518

木目の壁と観葉植物、受付台には電話がひとつ。シンプルですがデザインがひとつのポートレートになっているかのような美しいエントランスです。 内線電話にも細やかな配慮を見て取ることができます。

特許業務法人 楓国際特許事務所

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出典:http://www.shigotoba.net/meet/office/details/?casestudyID=4533

壁面の写真を見ながら進むと受付。素材にウッドを使用し、暖色系のダウンライトで全体を暖かなイメージで演出しているため、暗さを感じません。写真にもライトが当たり、美術館のよう。高級感がありながらもリラックスできる空間となっています。

朝日航洋株式会社

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出典:http://www.okamura-eoffice.com/case-study/case-study-004405.html

ウッドやアルミなどを上手に使用した近代的なデザイン。航空機をイメージしながらも、人の温かさを伝えています。近代的な雰囲気も、空のイメージにぴったりです。

いかがですか?

具体的に見てみると、それぞれのオフィスならではのセンスやブランドが光るものばかりです。

ベンチャー企業が増えている昨今、スモールオフィスでもロゴやサイトからオフィスデザインに至るまで、統一性をもたせてブランドイメージを発信している企業が増えています。

ブランディングが一目でわかる、または印象的なデザインは、差別化がされやすく信用や価値を向上させる効果があります。同時に、第一印象が良く、自身が成長したいと目標を持つ人の目に付きやすいため、良い人材を採用しやすくなります。スタッフにおいては、見た目がおしゃれであり、理念を常に意識できるため、モチベージションの向上にも役立つでしょう。

8.エントランス作りのポイント

お客様や人材を最初に迎える「会社の顔」となるエントランスは、特にこの傾向が強く、大きな影響を与えます。企業が持つ価値観と印象をアップさせるエントランス作りのポイントをおさらいしましょう。

・エントランスサイン

企業ロゴを受付や玄関に配置しているものをエントランスサインと言います。どこの企業にもエントランスサインがあり、訪問する際に確認する意味でも一番最初に目につくところです。

このエントランスサインひとつの演出で、高級感やクール感、あたたかみを演出できます。たとえば、ライトアップで陰影をつけて浮かみ上がらせる、LEDでロゴ自体が光るようにする、アクリル板などでクリアな透明感を出したものなど様々な方法があります。 企業のイメージ合わせて素材や演出を工夫してみましょう。

・コーポレートカラー

コーポレートカラーとは、企業のイメージカラーのことです。ロゴに使われることが多く、ロゴと同じ色がサイトや広告にも使われます。 オフィスデザインに取り入れることで、コーポレートカラーの印象を企業のイメージに結びつけることが可能です。

しかし、エントランスに取り入れるには派手すぎるといった場合もあるでしょう。その場合は、コーポレートカラーとは別の、相手に与えたいイメージが浮かぶカラーを用いるのも方法です。

例えば、赤やオレンジは生命力や強い情熱を感じ取れます。したがって、ベンチャー企業や、若者が活躍する企業などが用いられることが多いようです。オレンジは、コミュニケーションや飲食を表します。コンビニエンスストアを連想する人も多く、使い方によってはチープな印象になる場合もあります。

モノトーンは、高級感や重厚感を表します。大人の洗練さを連想させるので、高級ジュエリーや不動産などの企業に多く使われているようです。カラフルなカラーはポップさや賑やかさを表現。クリエイティブ系の企業に向いています。

企業のエントランスにおけるカラーには、訪問者の印象を左右する重要な働きがあります。エントランスをおしゃれにデザインする場合は、企業イメージに合わせたカラーを取り入れて考えることで、ブランディングを効果的に伝えることができるでしょう。

カラーイメージ一覧

  • ・赤…リーダーシップを発揮する、情熱的で野性的
  • ・ピンク…女性的。ソフトで優しさ・温かみ。愛情。
  • ・紫…高貴なイメージ
  • ・青…冷静・クール。爽やかさや信頼性。
  • ・水色…爽やか。バランスや柔らかさ
  • ・緑色…自然・調和をイメージし、協調性をもたらす。エコのイメージも強い。
  • ・オレンジ色…陽気で社交的。人が集まりやすい。
  • ・黄色…好奇心や陽気さ。明るさ。希望。
  • ・茶色…落ち着き・責任感・安定感。癒し。
  • ・黒…都会的でクール。高級感。

9.最後に

エントランスでお待ち頂く時間は、企業の理念や事業をアピールできるチャンスです。待っている間に目に止まるポイントを用意して、のちの商談につなげましょう。ポスターや映像は、わかりやすくダイレクトにブランドや強みを伝えることができます。ダイレクトすぎると疲れさせてしまうので、イメージが強い、中立的なものの方が女性には喜ばれます。

デザインではないですが、企業の受付スペースでアロマやディフューザーでお客様を香りでお迎えする企業が増えています。 ホテルのエントランスや百貨店のトイレにもアロマは採用されています。工事をしなくても、エントランスの印象を変えることができ、香りによってイメージや印象を高める効果が期待できます。ただし、最近はスメハラとも呼ばれ、強すぎる香りはNGとされてしまいます。多くの人に好まれやすい、自然な香りをチョイスしましょう。

ミントの香りは清涼感を演出し、暑い時には涼しさを感じることもできます。清潔感や涼しさを演出するため、夏のエントランスには最適です。

ヒノキの香りは、日本人が好む懐かしく落ち着いた香りです。甘さがなくすっきりとしているため男性でも抵抗がないでしょう。フランキンセンスも木の香りと似ており、空気清浄の効果もあります。風水では浄化の香りでもあるので、エントランスにおいて悪い運気の浄化も期待できそうです。

女性に人気の柑橘系の香りは、馴染みやすく男性にも好評です。さっぱりとしているため、午後の疲れた時間のお客様にも、好印象となるでしょう。ベルガモットは、コミュニケーションを促す香りです。エントランスのほか、会議室や来客室にほのかに香らせておくことで、円滑な商談ができるかもしれません。エントランスや受付のデザインが、機能的で洗練されたおしゃれであることは、お客様へのおもてなしにも目が行き届いている証拠でもあります。社員たちのモチベーションも上がるため、来客者への声がけやコミュニケーションも進んで行います。こうしたちょっとしたことが、信頼や安心を生み出すのです。

お金をかけて高名なデザイナーに依頼する必要はありません。社内で自社の理念や強み、ブランドを再確認し、コンセプトを打ち出し、それからデザインを考えてみましょう。

おのずと、人に優しいおしゃれなオフィスデザインが浮かんでくるはず。働きやすく、自慢したくなるおしゃれエントランスを持つことは、費用や広さに関係なく、どんなオフィスでも可能なのです。

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