目次
- 1.パーソナルスペースとは?
- 2.一人ひとり異なる。パーソナルスペースの傾向とは?
- 3.男女で異なるパーソナルスペースをオフィスデザインに反映する
- 4.オフィスをデザインする際、企業側が心得ておきたいポイントとは?
- 5.働きやすいオフィスを創るのもデザインする目的のひとつ
1.ズバリ「オフィスデザイン」とは?
出典:https://officesnapshots.com/
普段何気なく使っている「デザイン」というワード。そもそもデザインとは、どういう意味なのでしょう?広辞苑によると、以下のように定義されているようです。
デザイン【design】
①下絵。素描。図案。
②意匠計画。製品の材質・機能および美的造形性などの諸要素と、技術・生産・消費面からの各種の要求を検討・調整する総合的造形計画。「建築―」「衣服を―する」→インダストリアル‐デザイン→グラフィック‐デザイン
①は作業に対してで、才能の有無にかかわらず、行動を起こせばそれはすべて「デザイン」と捉えられます。
②はやや難しい言い回しにも感じられますが、「オフィスデザイン」においては、こちらのほうがよりふさわしい表現と言えそうです。
オフィスをデザインしている要素は実にさまざま。
物件によっては外装も含まれますし、看板、内装、什器、動線etc…それぞれがデザインの歯車の役割を担っています。
もし今あなたが「ウチのオフィスはなんとなくパっとしないなぁ」と悩んでいても、それもそういうデザインということに。しかしプロが目指す真のデザインは、機能・美的造形性、どちらも欠かすわけにはいきません。
つまりオフィスデザインとは、オフィスの未来をより良い方向へ導くための、必要不可欠な要素なのです。
2.オフィスは企業の顔
出典:https://officesnapshots.com/
オフィスは企業の顔そのもの。
どんなにオシャレなデザインだとしても、社風や企業イメージにそぐわなければ、「顔」の役割を果たしているとは言えません。
まずもっとも重視したいのは、エントランスや商談ルームなど、社外の人の目に触れる場所です。来社した人は、案内係の応対だけでなく、自分が立ち入った空間の印象をよく見ているもの。洗練されたデザインならば「仕事にも手を抜かない」印象を与えられますし、明るくナチュラルなデザインならば「社員が活き活きしているな」と思わせることができるでしょう。
加えて業種に合ったアイテムなどが添えてあると、自社製品への自信と誇りをアピールすることも可能です。
第一は、世間からどのように映るかが大切ですが、さらに言うなれば、社員や関係者しか立ち入らないスペースにも、「顔」の要素を盛り込むと、オフィスは一段と輝きます。
事務所や作業場であっても、ときには職場見学などに訪れる人もいるでしょう。また、従業員にとっても、日頃から企業イメージを目の当たりにしながら働くことにより、会社との一体感やモチベーションの向上を感じられるようになるものです。
ただ働きに来るための“箱”でなく、オフィスそのものが看板と同義であることを意識しましょう。
3.デザインでオフィスを魅力的にできるのか?
出典:https://pcbackup154.wordpress.com/
ではいったい、「企業の顔」であるオフィスを、どうすれば魅力的にできるのでしょうか?
デザインを考えていくうえで、まず一番大切なのが明確なコンセプト。無論、はじめは漠然としたイメージからでも構いません。最近のトレンドや、他社のオフィスデザインを参考にしてみるのもよいでしょう。
ただしあくまで参考程度。自社ならではのオリジナル要素も加えて欲しいところです。その上で、「今何が必要か」「将来どのように活動したいか」などを考えてみてください。
これらの要素を煮詰め、デザイン案を具体化していきます。
ですが「魅力的」というと、感じ方には個人差もありますし、簡単なようで少し難しいかもしれませんね…?
そんな場合は、このように考えてみてください。
「企業や社員にとって、メリットあふれるオフィスにしよう!」
このようにポジティブに考えていくことで、おのずとコンセプトは魅力的なモノへと進化してゆくのです。同時に、デメリットを省くことにもつながるため、現在の欠点や、何がムダかも見えてくるはず。
デザインには多様性がありますが、魅力的と思えるオフィスには、実はこういった「ふるい」にかける作業がポイントとなってきます。
4.オフィスをデザインする際、企業側が心得ておきたいポイントとは?
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熱意があるのは大事ですが、二兎も三兎も得ようとすると、コンセプトがぐちゃぐちゃになってしまいがち。今はネットで無数の資料が見つかるため、つい「あれもこれも」と欲張りになってしまう気持ちもわかります。
そこでまず心得ておきたいのが、コーポレートカラーの使い道。
一般的に、インテリアのカラーコーディネートをしていく上で、以下の3つの配色を基調とします。
ベースカラー(約70%)
床や壁面など、もっとも面積を有する箇所にもちいます。コーポレートカラーの邪魔をせず、かつ明暗の度合いも真逆の色合いがベスト。
ここに柄が入る場合、ベースカラーに選んだ色合いと同系統で、あまり主張しないものをチョイスするのがベター。
メインカラー(約20~25%)
ブラインドやカーテン、オフィス家具などがメインカラーの役割を果たします。
中間色系のコーポレートカラーなら、ここに取り入れるのが理想。逆に原色に近い色や、コントラストの濃い色味だと、約20%の面積でもかなり主張が強くなるので要注意。
その場合、コーポレートカラーよりワンランク明度を上げるなど、少しおさえ気味に配分すると、アクセントカラーとのバランスが良くなります。ですが、斬新さやユーモアを狙える業種なら、あえてビビッドな色合いを選択してもよいでしょう。
アクセントカラー(約5~10%)
コーポレートカラーが原色系なら、アクセントとして取り入れると効果的。
メインカラーにコーポレートカラーをもちいた場合は、それを引き立てるような色を持ってくると、いい引き立て役になってくれます。
アクセントなので、メインカラーの彩度をグッとあげた色や、あえて補色(反対色)を選んでみるのもGOOD。
これら3つの要素はあくまで基本プラン。一番の狙いはやはり、コーポレートカラーが目に留まること。メインカラーやアクセントカラーのどちらに当てるか、まずはココを明確にして、その他の2つの色要素を合わせていくとスムーズです。
5.働きやすいオフィスを創るのもデザインする目的のひとつ
オフィスデザインも美術のひとつではありますが、観賞用として魅力的でも、実用性をおろそかにしてはいけない分野です。
「企業や社員にとって、メリットあふれるオフィスにしよう!」
これをもう一度思い出してみてください。
配色が完璧でも、什器の配置や動線が整っていなければ、従業員の作業効率も低下してしまいます。また、内装部材のナチュラル系or無機質系、色使いの量にかかわらず、どんな空間にもマッチしてくれるのが植物の「グリーン」。
アイテムとして緑色が合わない場合でも、観葉植物だけはインテリアデザインを選ばずにコーディネートできるのが利点です。
現代人の働き方は、目にストレスが加わりがちなものですが、ある研究機関によれば、人は植物の緑を2~3分眺めるだけで、脳からα波が発生し、リラックスやリフレッシュ効果が見られるとのこと。
こうしたメリハリがつくことで、新しいアイディアが生まれたり、ストレスマネジメントがしやすくなり、コミュニケーションも円滑に進められるようになるのでいいこと尽くめ。
コーポレートカラーで一体感を感じてもらいつつ、メンタルケアも、オフィスデザインによって取り入れていきましょう。
6.オフィスデザインをプロに任せるべきか?自分たちでできるのか?
出典:https://officesnapshots.com/
さて、以上のポイントを押さえたところで、いったい誰にデザインを任せるべきか…?電気関連は専門家に任せなければなりませんが、内装であれば、器用な人はDIYでこなせる場合もあるでしょう。
しかし、もっともつまづいてしまいがちなのが、項目3で触れた「コンセプト」決定の段階。ひとことにオフィスデザインといっても、膨大なタスクを1つの案にまとめていかなければならないため、大多数の人が「理想」のままで終わってしまうことが実状です。
仮にセンスに長けた従業員がいたとしても、デザインを任せている間は日常業務ができなくなってしまいます。また、お金がからんでくる課題なため、失敗を考えるとプレッシャーを与えてしまうことにもなりかねません。
プロの場合、デザイン事務所でチームワークが可能なため(フリーで経営しているデザイナーでも必ずパートナーが存在します)、クライアントさんからの漠然とした提案も、スムーズに具現化していくことが可能です。
一度デザインしたオフィスは、企業の顔として定着するまで長く付き合っていく存在。ブレのない魅力的なオフィスづくりを目指しましょう。