初期費用が抑えられる居抜きオフィスのススメ

出典:http://www.tamasoft.co.jp/SoftOffice/kannai/

一部上場企業でも、創業から100年を超える大企業でも、はじめは小さなオフィスを構えて、そこから発展していったのです。 しかし、理想のオフィスを構えるには相応の出費を覚悟しなければなりません。なぜなら、多くの物件は「何もない状態」だからです。そこで「居抜き物件」の存在がクローズアップされることになります。では、「居抜きとは?」、「居抜き物件を借りるうえでのメリットやデメリットは?」。知っているようで知らないこともあるはず。…というわけで、今回は「居抜き」をキーワードにまとめてみました。

目次

1.そもそも「居抜き」とは?

2.居抜きオフィスの魅力とは?

3.居抜き物件のメリットとは?

4.居抜き物件のデメリットとは?

5.体験談:筆者も居抜き物件を選ばずに苦労しました

1.そもそも「居抜き」とは?

「居抜き」あるいは「居抜き物件」とはどのようなものでしょうか?

○居抜きとは?

オフィスや店舗、工場において、必要な設備や家具など、過去の状態がそのまま残っている状態を「居抜き」といいます。

○居抜き物件とは?

上記のような状態(いわゆる居抜き)のまま、売買および賃貸借契約ができるものを、「居抜き物件」といいます。

○居抜き物件実例

・居抜き物件

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出典:http://o-design.okamura.jp/case/140301/

・一般的な物件(画像はイメージ)

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出典:http://blog.livedoor.jp/nk_k/archives/1115827.html

2.居抜きオフィスの魅力とは?

居抜き物件の一例として、オフィスではなく飲食店(ラーメン店)を例に挙げてみましょう(画像はイメージ)。

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出典:http://www.tenpobacks.com/propertydatapost/150401tes1/

念願のラーメン店を開業することになったとしましょう。まったくの新規テナントや原状復帰された物件を選ぶと、「ラーメン屋仕様」に改装することはもちろん、オープンまであらゆる設備を用意しなければなりません。そこで「居抜き物件」が有効となります。居抜き物件を選ぶことで、必要なものは予め揃っています。その結果、大幅な初期費用の圧縮や、オープンの期間を早めることもできるわけなのです。 これを踏まえてオフィスに置き換えてみると、デスクやチェア、ロッカー、パーテーションなど。オフィスに必要なものが予め備えつけられています。さらにいえば、オフィスとはいえ、仕事の合間に飲食をすることもあるでしょう。冷蔵庫などの白物家電も必需品です。ひとえに仕事をするためのオフィスといえど、案外物入りなのですね。その点、居抜きなら…ということが、少し理解していただけたのではないでしょうか。

3.居抜き物件のメリットとは?

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出典:http://rentec.toner-ton.com/item-o-kagu.html

○居抜きなら、速やかに本来の業務が始められる オフィスである以上、移転後でもいち早く本来の業務に取りかかれるように段取りを組むのが理想であり、重要なのは言うまでもありません。まったく新規でオフィスを構えるならなおさらです。その点、居抜き物件なら事前に準備する項目も絞られてくるので、熟慮のうえ、ぜひとも有効活用したいところです。

○居抜きなら、必要なものが揃っているケースが多い 例えば家具家電付きマンスリーマンションのように、必要なものが揃っていて入居したその日からすぐに生活が始められるのはありがたいことです。このあたりは居抜きも同様です。週末をフルに使い、休日返上でオフィスの引っ越しをした経験がある人であれば、大幅に手間を減らすことがいかにありがたいか、容易に想像できるはずです。

○居抜きなら、初期費用を安く抑えることができる 何といっても居抜き物件の最大のメリットはここでしょう。引っ越し費用やデスク、チェア、会議室用のセット、パーテーション。オフィスらしく設えるだけでも相当な出費となります。仮に、起業時でも潤沢に資金があったとしても、いきなり豪華なオフィスを構えられるケースは少ないのではないでしょうか。

○居抜きなら、別の部分に予算を掛けられる 居抜き物件であれば、低予算で駅に近い好立地または広い物件で業務を行いたいとき…等々。本来であれば什器類に掛けなければならない予算を、物件そのものに振り分けることもできそうです。さらにいえば、さらなる発展に備えた「暫定のオフィスとして」居抜き物件を活用する方法もありそうです。

4.居抜き物件のデメリットとは?

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出典:https://satsuei-navi.com/MALL/src/FM400/106107/rokesta_kbn=01/

○使い込まれたものでも我慢する必要がある 「居抜き」が示すとおり、前入居者(もしくは企業)のものがそのまま残っているわけですから、どんなに新しいものであっても中古品です。つまり、他の人がすでに使ったものです。神経質な人であったり、残されたものが使い込まれたものでも我慢して使い続けることになります。

○予め備えつけられている分、自由度は低い(制限がある) 居抜きは一見便利そうだけど、使ってみたら思っていたより不便だったということもしばしば起こります。だいたいの物は揃っている居抜きだからこそ、すぐに業務が始められるのだから…と、ここは妥協したいところです。

○自分が望むオフィス(理想)とのギャップが起こる 理想型やこだわりの強い企業(人)であるほど、このギャップは大きいのではないでしょうか?安いからと飛びついて契約する前に、本当に居抜きを選んでよいか?じっくりと見極める必要があるかもしれません。

○リフォームなど、結果的に出費する可能性がある 居抜き物件でもっとももったいないケースがここです。いまいちだからと内装をリフォームする。什器類を入れ替える。こうなってしまっては本末転倒です。複数の物件を見比べたりせず、半ば衝動買いのような勢いで契約してしまうとこうなってしまう傾向が強いようです。

5.体験談:筆者も居抜き物件を選ばずに苦労しました

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出典:http://blog.elearning.co.jp/archives/7022.php

以前、筆者が勤めていた企業(といってもかなり小規模です)が新たにオフィスを立ち上げることになりました。勤めていた企業の社長から、なぜか筆者が引っ越し担当に命ぜられ、業務の合間にあらゆる物件を探しました。その道のプロにも依頼しました。試行錯誤の末、契約した物件は居抜きではなく、まっさらな状態の物件でした。自分たちが最初の入居者です。微妙な(はっきりいえば中途半端な)広さのオフィスだったので、なかなかテナントが埋まらずオーナーが困っていたところに我々が借りることになり、破格値で契約することができました。

当時、居抜き物件が選択肢になかったわけではありません。もちろん予算は決まっていましたが、所詮は会社のお金。つまり他人のお金です。まっさらな空間の方が、自分たちの思い描く理想のオフィスに近づけると考えたからです。予算は最小限 < 使い切ってナンボという、独立して、自分で仕事をするようになったいまでは考えられないような金銭感覚でした(社長、あのときは本当にすみませんでした…)。

しかし、実際には新築や転居したばかりの住居と同じで何もないまっさらな状態。業者にタイルカーペットの手配と施工をお願いし、デスクとチェアを手配し、冷蔵庫は中古品を手に入れ、小物類は近所のホームセンターなどで買いそろえ…と、オフィスとしてまとも機能するまでかなり大変だったことを思い出します。当然ながら、出費もそれなりに掛かりました…。

寛大な社長が筆者を怒るようなことはありませんでしたが、別に居抜きでもいいんじゃないの?と心のどこかで思っていたことは確かです。居抜きを選ぶと、デスクもチェアも使い回しです。しかし、丁寧に手入れをして磨けば、かなり綺麗になるはずです。その手間を怠ったのでした…。

確かに、まっさらな状態から理想なオフィスを創るのが理想的だと思います。しかし、居抜き物件をベースに、理想のオフィスに仕上げていく方法が必ずあるはずです。あるいは、段階的に少しずつアップデートしていく方法もあるでしょう。そんな手作り感こそが居抜きの魅力なのかもしれません。

新たにオフィスを構える際、または転居する際には居抜き物件のチェックもお忘れなく。思わぬ掘り出し物件が見つかるかもしれませんから。居抜きならではの「残り物には福がある」ことも大いにありそうです。

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