1. はじめに
「イノベーションを起こせ!」
なんてやればできるみたいに言われても。
そんなものサッとできたらどこの企業も苦労しません。
イノベーションを起こす考えの条件は下記の3つ。
- something new
- doable
- controversial
誰も見たことも聞いたこともない何か新しく、実現実行可能で、
経験や知識の枠組みを超えてしまうので理解ができない。結果議論を呼ぶもの。
そんなもの、期待されちゃたまりませんね。
イノベーションを生みだすためには右脳派人間と左脳派人間をミキシングしてカオスな状態を創りだし、そこから上手いことアイデアの種をみつけ育てていくこと。
もしくはAppleのあの人みたいな革命家にすべて任せること。
が、必要です。
なんとも高難易度。うへえ。
ただ作法や技術によって、イノベーションを生む可能性のある「アイデアの種」をみつけだすことは可能みたいです。
種が生み出せたらあとは大事に大事に育てていくだけ。
それで無事育ち実り、それが食べられるとも限りません(ほぼどこかで失敗します)が、なんにせよまずは種を見つけましょう。
昔何かで知った、その方法をご紹介。
2. もくじ
- はじめに
- もくじ
- 教育の場にイノベーションを起こすには
- 二軸で考えよう
- いろんな軸で考えみる
- おわりに
3. 教育の場にイノベーションを起こすには
例えば教育の場。
もっと質の良い教育を提供するために、どんなアイデアが考えられるか。
「教えるためのスクリプトを見直そう。」
「講習や最新の情報の共有で教師の質をあげよう。」
「1人にじっくり時間を与えるため、受け持つ生徒の数を減らそう。」
などなど、どこかで聞いたことのありそうなアイデアは次々と頭に浮かびます。
でもどこかで聞いたことがあるアイデアではイノベーションは起こりません。
教育の場にイノベーションを持ち込むにはどうしたらいいか。
ここでは先生と生徒の数を例に考えてみます。
わたしが小学校のころ、1クラスの人数は35~40名程度でした。
いまはどうなっているのか地域差もあるのでわかりかねますが、まずこの40名を基準にしてみましょう。
3-1. 減らしていこう
先生1人に対して生徒の数が40名。
ここから先生1人あたりの受け持つ生徒数を減らしていくと教育の質は上がるような気がします。
1:40
1:39
1:38
…
1:3
1:2
1:1
先生と生徒が一対一でお勉強。マンツーマン個人塾の完成です。
お勉強の質、上がる気もしますね。
ただ、これではイノベーションとは呼べません。
そこでもう一歩進んでみましょう。
1:0
先生1人に対して生徒が0人。
この先生は、何をだれに教えているのでしょうか。
そんな教室、聞いたことないですよね。
見たことも聞いたこともない何か新しくて、「それって成功するの?そもそも何なのソレ。」と議論を呼ぶもの。
もしかしたらコレ、育てていけばイノベーションを起こすネタかもしれません。
そうならない可能性も大いにありますが、ここでは「生徒が0人の教室って面白いかも。」というコンセプト程度に止めておきましょう。
3-2. 増やしていこう
逆に生徒の数を増やしていったらどうなるのでしょうか。
1:41
1:42
1:43
…
1:100
1:101
…
1:10000
…
1:∞
先生1人に対して生徒が∞人。
教室パンパンですね。後ろの人は声が聞こえなさそう。
でもこれ、オンラインならできちゃいますね。
最近いろいろなオンライン塾が出てきています。
受け持つ人数を増やしていったら、新しい形態の学校ができてしまったわけです。
4. 二軸で考えよう
さて、ここでオンラインという考えがでてきました。
ということは教育にはオンラインとオフライン、ふたつの場が少なくとも存在するようです。
先生1人が受け持つ生徒の人数と、オンライン・オフラインこれらを二軸で考えてみましょう。
真ん中最下部、「先生1人に対して生徒40名・オフラインの教室」これが普通の小学校などですね。
Cの左下部「先生1人に対して生徒1人・オフラインの教室」は個人指導塾や家庭教師。
Aの左上部「先生1人に対して生徒1人・オフラインの教室」はSkype教師などでしょうか。Skype英語塾、流行ってますね。
Bのエリア「先生1人に対して生徒多数・オンラインの教室」は最近多いですね。オンライン学習塾などです。
こんな感じで二軸でみてみると、見たこと聞いたことのあるようなエリアがたくさん出てきます。
そいつらはもうイノベーションの終わったエリア。
ここに対してウンウン考えてもあんまりいい成果は出づらいです。
逆にこのなかで見たことも聞いたこともないエリア。
これこそが、イノベーションの種が埋まっている場所です。
上記の図で言うと、例えば黄色の◯のあたり。
Aの最も左上「先生1人に対して生徒がo人・オンラインの教室」
左右軸の最も左「先生1人に対して生徒がo人・オンラインオフライン混合の教室」
Cの最も左下「先生1人に対して生徒がo人・オフラインの教室」
生徒0人ってどうにも聞いたことがないですね。
教える対象がいなくなっちゃうので当たり前ですが、深く掘り下げていくと面白いネタがあるかもしれません。
中央部「先生1人に対して生徒40人・オンラインオフライン混合の教室」
これもあまり聞きません。タブレットの導入など一部では始まっていますが、その先にある形態でしょうか。
左右軸の最も右「先生1人に対して生徒が∞人・オンラインオフライン混合の教室」
Dの最も右下「先生1人に対して生徒が∞人・オフラインの教室」
このへんも聞かないです。
生徒が溢れかえるのにオフラインって、どうやったら実現できるのでしょうか。
考えてみると何かあるかもしれませんね。
5. いろんな軸で考えてみる
こんなふうに、二軸で考えるといままであった発想・なかった発想が非常にわかりやすいです。
イノベーションの条件、「何か新しく議論を呼ぶもの」を満たす形態を簡単に呼び出せるのでアイデア出しの際に非常にオススメ。
アイデアが出た後はもうひとつの条件「実現可能かどうか」をひとつひとつに対して丁寧に掘り下げていってみましょう。
「どう考えても無理!」
「できるけど採算が合わないねコレ。」
「あ、これいけるかも。」
なんて話だけですむので、これも簡単ですね。
今回は「生徒の数」「オンラインオフラインの形態」の二軸で考えましたが、他の軸を用意すればまた違ったアイデアがでてくるかもしれません。
先生の数、生徒の年齢幅、体を使うか頭をつかうか…
どんなイノベーションを起こしたいのかによって使う軸を変えてみれば、いろんなアイデアが出てきます。
「実現可能かどうか」を考えずアイデアの種をザクザク掘り起こした後は、ゆっくり精査すればそれでOK
ブレストもこんな感じで作法が整っているとやりやすいですよね。自由帳、苦手。
6. おわりに
極端な話を二軸で考える。
これだけであなたも今日からブレスト職人です。
アイデアをモリモリだして、面白い仕事をつくってみたいものですね。
今回はイノベーションの種を見つける方法について書きました。
それを実際にどうすればいいのか、どう育てていくのか。
そんなお話もまた別に書きたいと思います。
それでは。